ドイツ人とのゲイカップルの結婚問題、移民問題「Jazz in Love」

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タイトルを見て、フィリピンのジャズ業界の話かと思って見たのですが、ジャズというニックネームのゲイ青年の恋愛をテーマにしたドキュメンタリー作品でした。よく考えると、ジャズにのめり込んでいる人を描くならタイトルは「Jazz in Love」ではなく、「Love in Jazz」ですね。また、本作の監督はドキュメンタリー映画で快作を発表し続けてBaby Ruth Villaramaさんで、本作は彼女の最初の長編映画作品です。そういう意味でも今後注目される作品ではないでしょうか? 内容としては、国際間の年の差ゲイカップルのインタビューを中心に構成されたドキュメンタリーです。移民ということを考えなければならないので、単純に愛の問題だけでなく、異性愛の国際カップルにも当てはまる問題を描いていると思います。

(Photo cited from IMDb)

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「Jazz in Love」のストーリー

最初に「フィリピン人が、ドイツ人との結婚ビザをとるためには、2か月間ドイツ語を勉強して、ドイツ語の試験に合格しなければならない」という文章があらわれ、ドイツ語教室のシーンから始まります。若い男が、ドイツ語を勉強しており、「ドイツ女性と結婚するフィリピン男性」とは珍しいなと思ったところ、彼はゲイでした。その後、試験のシーンになりますが、会場の大半は女性だったので、やはりドイツ人と結婚するフィリピン人のほとんどが女性のようです。フィリピンには、たくさんのゲイカップルがいますが、同性婚は法的に認められていないので、同性婚を認めるドイツで結婚をすることを目指しているようです。

会場にいた男3人は、みなさんゲイのようです。それぞれ出会いを語ります。本作の主人公ジャズは、ドイツ人男性とFBで出会ったそうです。もう1人は、ダバオのホテルで働いていたときに、お客さんとしてして出会ったと言っていました。あと1人はわかりません。

ジャズによれば、様々な書類を移民局に出さなければならないのですが、フィリピンの出生証明書に間違いがたくさん見つかり、その修正に時間がかかると言っていました。フィリピンらしいですが、出生証明書くらいちゃんとしてて欲しいですね。

ジャズの母親は、「それで安定した仕事が見つかるならば・・・」と、ドイツに行くことには賛成です。父親も賛成です。ジャズ自身は、看護師の免許を持っており、ドイツで看護師として働くことも想定しているようです。

(ネタバレ)そうこうしているうちに、ドイツ人の彼氏がダバオにやってきました。2人は幸せそうにイチャイチャします。改めてみると、ドイツ人の彼は40代後半から50代に見えます。フィリピン男は、20代前半のように見えるので、だいぶ年の差がありますね。ちょうどドイツ人の彼氏が、誕生日を迎えたので、ジャズはバービー人形のケンをプレゼントしました。まったく意味がわからないプレゼントですが、ゲイの世界では冴えたプレゼントなのでしょうか???

ちなみに、ドイツ男がお返しにプレゼントしたのは、スカーフでした。彼は綺麗なスカーフを巻いた野良犬が良い扱いを受けた話をします。このドイツ男、ちょいちょいフィリピン人の男を、犬に例えます。確かに、フィリピン男が忠犬のような懐き方をしているので悪気はないのでしょうが、やっぱり西洋人がフィリピン人を見下しているように見えて、嫌な感じでした。

とは言え、ジャズの家族が主催するパーティに参加し、ジャズの家族らと交流すると、ドイツ男は自信を失っていきます。家族は誰も反対しておらず、暖かく迎えているのですが、「お母さんは賛成してくれそうだが、父親は反対しそうだ」と弱気になります。年の差がありますし、ましてや同性婚ですから、相手の家族を前にすると怯んでしまう気持ちはわかりますね。

結局、ドイツ男はダバオ滞在中に結婚を決意することができませんでした。フィリピン男が、ドイツに来てもドイツ社会で仕事ができるのか、家族と離れて大丈夫なのか、など不安が高まり、決意することができなかったのです。確かに、若いフィリピン男の考え方は甘く、愛人としてはいいですが、ドイツ社会で働けるイメージがわきません。また、フィリピンの家族とべったり生活ぶりを見ると、西洋的な個人としての生き方とはかけ離れているので、やはり心配になったようです。

ドイツ男は、帰国して再び軍務につきました(最後にわかりましたが、彼は軍人でした)。そして、ジャズは、ダバオで教師として働くことになったそうです。2人はお別れしたわけではなく、今もオンラインでデートしているのだそうです。そして、エンディングです。

移民のための準備をするシーンから始まったのに、結局移民することにならないと言う拍子抜けな展開でしたが、ドイツとフィリピンの距離、文化的な差異、そして年の差、同性婚ということを考えると、そりゃあ決断できないわなと思いました。日本とフィリピン間の年の差異性婚とは比べ物にならない難しさだろうと思います。ドイツ男を責めることはできないですね。

「Jazz in Love」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたBaby Ruth Villaramaさんは、今年公開された「Food Delivery」が非常に評判が良く注目されている監督さんです。本作が、初の長編ドキュメンタリー作品、3作目が「Sunday Beauty Queen」、5作目が「Food Delivery」とは、確実にステップアップしていますね。まだ、彼女の作品は日本に上陸したことはありませんが、いずれ日本でも作品が上映される監督さんだと確信しています。

「Jazz in Love」の作品情報

オリジナルタイトル:Jazz in Love

公開年 2013年

監督 Baby Ruth Villarama(Sunday Beauty Queen

視聴可能メディア Youtube(英語字幕)

「Jazz in Love」のトレイラー

トレイラーがなかったので本編のリンクを貼ります。Youtubeなのですが、なぜかはめ込みできませんでした。

Jazz in Love (A Film by Baby Ruth Villarama)
Jazz in Love tells the story of Jazz, a young man from Davao whose dream wedding is within reach, his German boyfriend o...
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