動画配信サイトで見れる、日本語字幕ありのフィリピン映画はほとんど見尽くしている状態なので、英語字幕作品をコツコツ見ています。それはいいのですが、やはり日本語字幕付きの作品をなるべく紹介したいと思い、TSUTAYA DISCASを使ってフィリピン映画のDVDをレンタルして見ることにしました。探せば意外とありましたので、まずは12枚のDVDをレンタルして見ました。しばらく英語字幕作品と、日本語作品をなるべく交互に見ていきたいと思っています。さて、12枚の中で最初に選んだのが本作です。パチもん感が強いタイトルで、気楽に見れそうと思ったからです。しかし、思いのほか良作で、良くできたゾンビ娯楽映画でした。パチもん感漂う日本語タイトルですが、英語タイトルは「Zombie Island」と意外とシンプルです。フィリピンタイトルは「The Grave Bandits(墓泥棒)」ともっとシンプルです。

(Photo cited from IMDb)
「パイレーツ・オブ・ゾンビ」のストーリー
物語は海賊のシーンから始まります。アメリカの研究者が海賊を雇って、海中から隕石を回収しました。その夜、島に上陸してみなで打ち上げをしていたのですが、海賊のボスが裏切りました。研究者を殺し、隕石を奪って売り払おうと思ったのです。しかし、研究者には逃げられ、その時に隕石から抽出した未知のウイルスに感染してゾンビになってしまいました。また、場所案内のために誘拐された少女も殺されそうになっていました。しかし、ゾンビ騒ぎが起こり、逃れることができました。
その後、主人公たちの登場です。高校生くらいに見える男(ロミー)と小学生くらいに見える少年(ピーウィー)です。彼らは墓泥棒をして生計を立てています。しかし、今回は村人に見つかってしまい、追われる立場になってしまいました。何とか逃げ切り、死者から盗んだ宝石を売って8000ペソ、逃走のために盗んだトライシクルで4000ペソ稼いだところまでは良かったのですが、村人の執拗な追跡のため、再び追われる身になり、今度は浜辺にあった船を盗んで、沖合に逃走します。しかし、まだたくさんの村人が船に乗って追跡してきます。村人がこんなに執拗なのには理由がありました。彼ら墓泥棒には、懸賞金がかけられていたのです。結局、なぜロミーがそんなに金に執着しているのかは最後までわかりませんでしたが、ピーウィーがお金を必要としたのは、生き別れた母を探すためとのことでした。こう言わせておけば墓泥棒をしていた主人公らも視聴者に許されるだろうと考えたのかな、と思いましたが、これは意外にも伏線となりました。
そして、もう追い付かれるというところで島に上陸して逃げようとします。なるほど、たくさんの村人に追いかけさせたのは、ゾンビになる被害者を増やすためだったのですね!良くできたシナリオでした。ロミーとピーウィーと、追跡してきた村人は、ゾンビに襲われ、村人は全員ゾンビになってしまいました。ロミーらも離れ離れになってしまい、ロミーは危ないところで、アメリカ人研究者に救われ、彼と行動を共にします。一方、ピーウィーも、誘拐されていた女(マイヤ)に助けられ、彼女と行動を共にします。マイヤが言うには、彼女は隕石が落下した島に住んでいた一族の末裔でした。その島は、ゾンビ化により滅んでしまいましたが、生き残った者は他の島へと移住し、隕石を海中に沈めたのです。彼女はその伝説を知っていたため、研究者が雇った海賊に誘拐されたのだというのです。また、彼女はピーウィーの母の写真を見て、どこに住んでいるか知っていると言います。
マイヤが言うには、ゾンビたちは酒の匂いで混乱するため、酒を身体に振りかけて脱出すれば安全とのことでした。というのは、マイヤは海賊たちに殺されそうになる前に、酒をかけられており、そのためゾンビたちが近寄ってこなかったと感じていました。一方、ロミーたちは、研究者がゾンビを観察して、どうやら匂いで人間を見つけているようだから、小便を身体に塗りたくれば誤魔化せるのではないかと考えます。2つのグループは、それぞれのアイデアで囲みを破って脱出しました。そして、脱出のための海賊の船を目指すのですが、研究者が隕石を回収しようとして離脱。敵に回ってしまいます。しかし、3対1と数で勝るロミーらはなんとか研究者を気絶させます。そして、海の水で臭いを落とした研究者は良い感じのオトリになってくれました。そのまま3人で脱出すれば良かったのですが、ぼんやり研究者を見送っていた兄がゾンビに襲われ、今後は兄を助けに行ったマイヤが襲われます。
(そろそろネタバレあり)一度は、マイヤを見捨てて逃げたロミーでしたが、ピーウィーはそれを許しません。ロミーが持ち帰った隕石を隠して、マイヤを助けることを主張します。結局、島に帰ることになりました。マイヤに合流したのちは、3人で最後のアクションシーンをこなして、島を脱出。マイヤを、彼女の島に送っていきました。隕石を金に換えることに執着していたロミーですが、さすがにこれはヤバいと思って、その案はあきらめました。さあ、これからピーウィーの母に会いに行こうところでエンディングです。
途中、ロミーが幻覚に見舞われるシーンが2回あり、実はゾンビウイルスに感染しているのか?と思いましたが、この伏線は特に回収されませんでした。本作に限りませんが、フィリピン映画には、未回収の伏線が多いですね。撮っている最中には、きっとエンディングがちゃんと決まっていないんだと思います。
「パイレーツ・オブ・ゾンビ」の作品情報
オリジナルタイトル:The Grave Bandits
公開年 2012年
監督 T.A. Acierto
主なキャスト Ronald Pacifico
Peewee
Jill Palencia
視聴可能メディア TSUTAYA DISCAS