2人の掛け合いが楽しいラブロマンス「愛して星に」

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本作は、2018年の大阪アジアン映画祭で上映された作品なので、日本語タイトルがあります。しかし、それ以外では、日本での上映、日本語での配信はないので英語タイトルの「Love You to the Stars and Back」で探すと良いかもしれません。現在、フィリピンで最も勢いのあるアントワネット・ハダオネ監督の作品で、Youtubeにて無料で見ることができます。2025年の大阪アジアン映画祭にも招待されていますので、彼女の作品の多くが無料でYoutube公開されているので、これを機に一気に見てみるのもいいんじゃないかと思います。フィリピンには、ワンパターンの恋愛映画がたくさんありますが、やはり凡百の恋愛映画とちがって、2人の掛け合いだけでも見てて楽しい作品です。

(Photo cited from IMDB)

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「愛して星に」のストーリー

主人公の女性(ミカ)に、父親が新しい母親を紹介するシーンから始まります。また、新しい母親がすでに妊娠していることが伝えられます。後に挿入されるシーンでわかることですが、ミカは母親を亡くしており、今もその母に強く執着しているのです。その母親とのシーンがなかなか突飛で、母はミカに「エイリアンにさらわれる人は特別なのよ」「世の中は何が起こってもおかしくないのよ」と言ったことを、星空を見上げながらミカに語るのです。ミカは、新しい母に馴染もうとせず、「エイリアンにさらわれに行く」と言って車で家を飛び出します。途中、草むらでおしっこをしていたときに、同じように草むらで用を足していた男(カロイ)と遭遇。覗かれたと思ったミカは恥ずかしさのあまり車に乗って、その場から逃げ出すように走り去ろうとします。自分は見てないと、必死で弁明しようとすがるカロイは、ミカが運転する車に、足をひかれてしまいます。出会いのシーンもなかなか冴えていますね。

病院に連れて行こうとするミカと拒むカロイでしたが、ミカが強引にカロイを車に乗せ、2人の旅が始まります。2人の楽しい会話がはじまり、ミカがかなりトリッキーな考えを持っていることがわかります。世の中は何が起こるかわからないという話になり、道で遭遇した牛が人間を食べるかもしれないという話が始まります。「牛は人間を食べない」と反論するカロイ。じゃあ、他の人に聞いてみようと、道を歩いていた鶏を運んでいた男を、この議論に巻き込んで怒らせてしまいます。お詫びにと、彼と鶏を車に乗せて、鶏を待つ結婚式会場を目指すのですが、途中カーブした際に、鶏が入ったかごが落ちてしまい、住民たちに取られてしまいました。中国の報道ビデオで、トラックから落ちた鳥や果物に群がる住民を見たことがありますが、フィリピンでも車が落としたものは、誰のものでもないという社会なのでしょうね。

なんだかんだと、2人の楽しい旅が続き、カロイの目的地に連れて行ってあげることになりました。カロイは母を捨てた父親に会いに行こうとしていることがわかります。また、カロイは自分が白血病で余命12か月であることをあっけらかんと語ります。自分が死ぬ前に、父親に会ってみたいと思ったのです。しかし、金持ちの父親はカロイとの面談を拒否します。父親はカロイが金をせびりにきたと思ったのでしょうか。カロイは、自分が持っているロレックスをメイドさんにあずけ、金をせびりにきたなら、この時計を売ればいい、そうじゃないことがわかるから・・・とすがるのですが、結局、父親に会うことはかないませんでした。

(ネタバレあり)その後、すっかりやさぐれたカロイは、やけくそになり、「放っておいてくれ」と言って、ミカの車から降りて、ミカに去るよう叫び続けます。やむなく、そろそろと車を出したミカですが、すぐにカロイが倒れたので、結局2人の旅が続きます。2人は、何か不可能なことが起こることを期待して、エイリアンが誘拐してくれるという丘を目指すことになります。途中、ダンスパーティに行く相手がいない女の子と一緒にダンスパーティに行ったりと、少しロマンチックが出来事もあり、さんざん山道で迷いましたが、ついにエイリアンの丘にたどり着きました。最後の電話をしようと、2人は家族に電話し、涙ながらのお別れをします。丘の登って、2人でエイリアンを呼ぶ呪文を唱えたところで、空が明るくなりました。まさか、UFO? と思ったらヘリコプターでした。どうやら、日をあらためた方が良さそうだということになり、2人はモーテルに宿泊しました。翌朝、ミカはなかなか起きてこないカロイの部屋を訪れると血を吐いて倒れていました。カロイは病院に運ばれることを嫌がりますが、ミカは無理やり彼の携帯電話を奪って、家族に連絡し、カロイを病院に運びました。その時の会話から、カロイが治療を拒否していたのは、脊髄の移植に450万ペソが必要なこと、それでも成功率は50%程度だあることから、家族に負担をかけたくないと、治療を拒否していたのです。病院にかけつけた家族は、すでに450万ペソが用意できたこと、これからマニラの病院で移植手術を受けることを、カロイに伝えます。ミカは、カロイのためにエイリアンを呼ぶ呪文を一生懸命唱えました。

結局カロイの治療は成功しました。彼はミカとの思い出を胸にエイリアンの丘を目指します。ミカはその後、実家に帰りました。継母を受け入れることができるようになりました。カロイが。丘でミカとの思い出にふけっているとき、そこにあらわれたのはミカでした。2人は手をつなぎます。そしてエンドロールです。

私はあまり恋愛映画を好みませんが、本作は楽しめました。エイリアンに誘拐されるという突飛な設定をうまくロマンスに落とし込んでいます。また、途中に挿入されるエピソードが、2人の仲を近づけていくのですが、草むらでのおしっこから始まり、鶏を運ぶ男、ダンスパーティの相手がいない少女など、少し変わった角度からエピソードを入れてきますので、先が読めないワクワク感があります。フィリピン恋愛映画でも、こういうのがもっと知られて欲しいですね。

「愛して星に」の監督、出演者情報

監督はアントワネット・ハダオネさん。今年公開の映画「Sunshine」が海外の映画祭にノミネートされることが続いており、しばしばフィリピンのニュースで取り上げられています。今年大きな賞を取ると、フィリピン映画のちょっとしたブームが来るかもしれませんね。ミカを演じたJulia Barrettoさんは、私がおすすめ映画10選にも選んだ「セックスの才能」で主演を演じた女優さんです。見ているだけで楽しい女優さんです。カロイを演じたJoshua Garciaさんは、死を前にしても明るく振舞う男という難しい役を演じました。二枚目ですが、やさ男なので、ちょっと情けない役が似合います。この2人は共演策が多いですね。

「愛して星に」の作品情報

オリジナルタイトル:Love You to the Stars and Back

公開年 2017年

監督 Antoinette Jadaone(Alone/Together)(リリア・カンタペイ、神出鬼没)(Fan Girl

主なキャスト Julia Barretto(Block Z)(セックスの才能)(Un/Happy for You

Joshua Garcia(Block Z)(Un/Happy for You

視聴可能メディア Youtube(英語字幕のみ)

「愛して星に」のトレイラー

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