金持ち女たちに飼われる男たちの物語「情欲の虜」

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本作もVIVA-Filmsのエロ系映画ですが、本作は珍しいことに男たちが主人公です。もちろん凌辱ものなどで、男が主人公であることはあったのですが、複数の男たちが主人公で、彼らが金持ちの女たちに、オモチャにされたり、嫉妬からひどい目にあったりと、なすすべなく人生を狂わされていくという物語は、新しい着想でした。そのぶん、男主体のエロシーンが繰り広げられないので、絡みのシーンがたくさんあるわりには、そんなにエロさを感じないというエロ系作品としてはどうなの?という側面もありますが、哀愁の漂うなかなか印象深い作品でした。オリジナルタイトルの「Mapanukso」は「誘惑的な」という意味のようです。

(Photo cited from IMDb)

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「情欲の虜」のストーリー

男たちがステージでセクシーダンスをしているシーンから始まります。金持ち女性向けのショーパブで働く男たちの物語です。しかし、フィリピン映画には、よく女性向けショーパブのシーンが出てきますが、実際にあるのでしょうか? 本作でも語られていましたが、お客さんは、同意があれば男をお持ち帰りしたり、愛人にすることもできるようです。彼らを「マッチョダンサー」と呼ぶと蔑称になるようで、この呼ばれ方をすると、彼らは怒るようです。気をつけましょう。

彼が自分の彼女やお客さんと絡むシーンがひととおり繰り広げられたあと、物語がはじまります。ダンサーの1人、野球少年のような丸坊主の男(カルロ)は、たまたまフードデリバリーできた男(アンジェロ)に目をかけ、ダンサーの仕事に誘います。最初、ゲイかと思いましたが、アンジェロがカルロの弟に似ており、経済的に困窮していたアンジェロを助けたいと思ったとのことでした。

ショーパブのママは当初雇わないと言っていましたが、カルロがママに抱き着いて「シゲナー、シゲナー(いいだろ、いいだろ)」と甘えると、ママも「しょうがないわね」と言って、アンジェロはホールスタッフとして雇用されることになりました。フィリピン映画では、女性に「シゲナー」と甘えた声で言うと、無理が通るというシーンを良くみかけますが、本当に効果があるんでしょうかね? 若くてイケメンに限るのでしょうか?

アンジェロは、初日から金持ちおばさんに気に入られ、1万ペソのチップをもらいました。大金を掴んで浮かれるアンジェロに、カルロは、この仕事は危険だから、学費を稼いだら辞めるようにと、釘をさします。カルロの弟は、お客さんの嫉妬から、殺し屋によって射殺されたのだと言います。

ダンサーの1人の無断欠勤が続いたため、アンジェロを舞台に上げることになりました。ダンサーの中で最もベテランの男が反対し、喧嘩になりましたが、ママの意向でダンサー採用となりました。

その後、また男たちが、彼女やお客さんと絡むシーンが続いて、ようやくドラマが動き始めます。ベテランダンサーの男が、パトロン女のお金を使い込み過ぎて愛想をつかされてしまいました。しかも悪いことに、その女が新人のアンジェロを指名します。アンジェロには、有力なパトロンおばさんと、その姪っ子がいるので、ママはしぶりますが、お客さんの強い意向には逆らえません。「十分に注意するように」と言い渡されて、アンジェロが相手をします。

ここから男たちの破滅がはじまります。まず1人の男が暴漢によってボコボコにされます。彼は、同業者(日本で言うところのキャバクラ?)の女と付き合っていたために、ボコボコにされたのだそうです。フィリピンでは御法度なのでしょうか? 2番目はアンジェロです。ベテラン男からアンジェロに乗り換えた女が3Pを提案。そして、もう1人の女とアンジェロがセックスしてているところを撮影したビデオを、元々指名していたマダムに送りました。マダムが激怒して、雇われた男によって、顔に塩酸をかけられます。その次は、結婚していて子供がいることを隠して、金持ちおばさんと付き合っていた男は、そのことがバレて射殺されました。結局、無事に足を洗えたのは、カルロだけでした。彼はマダムに礼を言って、次の人生に足を踏み出します。最後、ベテラン男だけがステージに残ります。シュールで、哀愁漂うラストでした。

確かに、フィリピン女性は嫉妬深い上に、フィリピンは簡単に人が殺せる社会ですから、この仕事は危険ですね。建前としては、男はお客さんのお持ち帰りを断ることはできるので、自制すれば危険に巻き込まれることは可能でしょうが、実際にはお金の力には抗いがたく、ベッドの誘いを断るのは不可能でしょう。結局、最後はオモチャのように捨てられるか、殺される運命が待っているのでしょう。

「情欲の虜」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたJose Abdel Langitさんは、助監督としては70作品以上の経験がありますが、監督としての作品は、全部で4作品、本作が3本目です。そのうち2本がエロ系で、監督としてのキャリアはこれからでしょう。本作は、VIVA Filmsのエロ系作品としては異例なことに、主役級が全員男で、脱ぐ女優がたくさんいる割には、みんな脇役です。また、パトロンという役割から、おばさんか、若くても性格が悪いという役どころなので、若くて美人女優と言えるのは1人しかいません。アンジェロのパトロンおばさんの姪っ子という、ちょっと無理な設定でセックスシーンを披露したTiffany Greyくらいでした。しかし、彼女も端役です。

「情欲の虜」の作品情報

オリジナルタイトル:Mapanukso

公開年 2024年

監督 Jose Abdel Langit

主なキャスト Sean De Guzman

Itan Rosales

Ataska Mercado

視聴可能メディア U-NEXT、Hulu(日本語字幕)(レンタル)

「情欲の虜」のトレイラー

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