ドバイで出稼ぎ労働する若者たちを描く「Dubai」

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フィリピン人は出稼ぎで世界中のあらゆる国に散らばっているので、その国を舞台にした若者たちのドラマが映画化されています。本作は、その中でもフィリピン人がたくさん働いているドバイを舞台にしたドラマです。とは言え、中盤から兄と弟が1人の女をめぐる三角関係というメロドラマになってしまい、ドバイという設定をほとんど活かすことなく陳腐な作品になってしまいました。もっと、ドバイで活きる若者たちの苦悩やちょっとした喜び、彼らの夢と挫折に正面からフォーカスして欲しかったですね。しかし、私は3年前に出張でドバイに行ったことがあり、本作が制作された2005年と景色を比べるのは、それなりに見どころがありました。ドバイに行ったことがある人にとっては、その点が面白い作品だと思います。

(Photo cited from IMDb)

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「Dubai」のストーリー

多少ドバイの風景を見せたあと、ドバイで9年働いている兄の元に、弟がやってくるシーンからドラマが始まります。兄弟は、かつて母が働いていたカナダに移住することを夢見ており、弟は兄とドバイで合流して、お金を貯めるという希望に燃えています。そんな弟に、兄が歯切れの悪い態度を見せます。

また、弟は街中で若い女(フェイ)に出会います。フェイは、弟を現地のマーケットに連れて行ってあげたりと、親切な態度を見せたため、若い弟はすっかりフェイに入れ込んでしまいます。しかし、フェイは兄の恋人でした。しかも、兄は複数の女と付き合ったことがあり、フェイトの結婚に対して前向きでないため、フェイを傷つけていたのです。そんな兄の態度を弟は非難し、結局、フェイは弟と付き合うこととなりました。

弟が驚いたのは、兄にほとんど貯金がなかったことです。また、ドバイで困っているフィリピン人にお金を貸してあげていることを知り、弟は「自分たちの夢を壊した」と激怒します。フェイとのこともあり、兄弟の仲は悪化するばかりです。兄は、そんな弟に反論することもなく、フェイとの仲も終わらせ、ひたすら受け身に徹します。

しかし、夢に向かって邁進する若者らしいところは良いのですが、ドバイに来たばかりなのに、何でもわかっているように振舞い、兄を非難する弟の姿に、フェイの心は徐々に離れていってしまいます。そして、再び兄に気持ちが向かうフェイと、兄に対して弟は激怒。ますます、兄弟の仲、フェイとの関係は壊れていってしまいます。しかし、弟は、フェイを縛りつけようとするために、自分はフェイの恋人なので、子供を作ることは当然だと主張して、フェイを困惑させます。兄は、「ドバイでは、未婚の女が妊娠すると、刑務所に入れられる。現地の法律を理解するべきだ」と、やんわり弟を諭します。ちなみに、この法律は2022年に改正され、現在は未婚の女が妊娠することは違法ではないそうです。

兄の尽力により、ようやく労働ビザが取れた弟は、ホテルの厨房で働き始め、兄のもとを離れ、他のスタッフと一緒に職員寮のようなところで住み始めます。ついに、自分の手で金を稼ぎ、頼りない兄と違って、自分がカナダに移住してやると意気軒高だった弟ですが、たまたま同僚にもと兄の恋人がおり、兄がいかにフィリピンにいる自分のための学費をねん出するのに苦労していたか、そのために恋人を犠牲にしていたかを聞かされます。そして、自分が間違っていたことを悟ります。また、兄がドバイのフィリピンコミュニティで、結婚式のスピーチをしているところを見て、自分が兄のことを何も理解していなかったことを悟ります。

(ネタバレ)結局、3人はそれぞれの道を歩むことになりました。兄はドバイに残り、弟はカナダの労働ビザを取得しました。フェイは、フィリピンに帰国することになりました。弟は、カナダに旅立つ前日に、兄に向けたビデオメッセージを撮り、それを共通の知人に託しました。しかし、その日に最後の人稼ぎとしてドライバーの仕事をした際に、交通事故に遭ってしまいます。瀕死の渋滞で入院している弟の前に、兄が訪れ、弟からたくされたビデオメッセージを見ました。そこには、弟から反省の言葉、兄の人生に対する応援、そしてフェイも兄を愛しているので、彼女とヨリを戻して欲しいという言葉が述べられていました。兄は、メッセージに涙します。弟は奇跡的に命を取り留め、最後のシーンはドバイの海岸で2人が語り合うシーンです。フェイは、空港にいるシーンがありましたが、結局どうなったのかわかりません。そして、エンディングです。

私としては、もう少しドバイを描いて欲しかったというのは、冒頭で述べたとおりですが、3人の三角関係については、いろいろ思うところがありました。というのは、私は弟と同じ大学に通うこととなり、高校時代の彼女も、同じ大学に進学して、弟と同じサークルに入ったのです。弟と元彼女が付き合うのではないかと、ヒヤヒヤしたことを思い出します。やはり、何となく嫌なものですよね。弟に聞いたところ、「どこがいいのかわからん」と言われてホッとしましたが・・・。結局、元彼女は、そのサークルの別の男と結婚して、弟が結婚式に参加したのも、まあまあ微妙でした。個人的には、すっかり忘れていたほろ苦い思い出を呼び起こす作品となりました。

「Dubai」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたRory B. Quintosさんは、11本の映画監督作品があり、18本のテレビドラマを監督した、中堅どころの監督さんと言えると思います。ただ、主に活躍したのが、本作が公開された2005年前後ということで、あまり英語字幕付きの作品が少ない監督さんです。監督作品のタイトルとジャケットを見るにラブロマンスが多そうです。主役の兄を演じたAga Muhlachさんは、非常に肩幅が広いため、私が「フィリピンの吉川晃司」と呼んでいる俳優さんです。身体が大きい割には気の弱い役を演じることが多く、「気は優しくて力持ち」な人なのではないかと思います。

「Dubai」の作品情報

オリジナルタイトル:Dubai

公開年 2005年

監督 Rory B. Quintos

主なキャスト Aga Muhlach(Miracle in Cell No. 7)(Uninvited)(Seven Sundays)(Ikaw pa rin ang pipiliin ko

John Lloyd Cruz(立ち去った女

Claudine Barretto(Etiquette for Mistresses

視聴可能メディア Youtube(英語字幕)

「Dubai」のトレイラー

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