本作もフィリピン人の友達に勧められた作品です。私はタイトルを、「毎日が日曜日」みたいな意味だと思って見始めたのですが、父親の余命が7週間程度と宣告され、子供たちが毎週日曜日に集まって父と共に時間を過ごすという病気ものドラマでした。ところが、中盤に前提が一気に崩れて、もっと深い家族の葛藤が浮き彫りになり、雨降って地固まるということで大団円を迎えます。非常に良くできたフィリピンらしいファミリードラマの1つだと思います。ちなみに監督は、フィリピン映画No.1ヒットメーカーのCathy Garcia-Sampana (Molina)さんです。恋愛映画が得意な監督さんだと思っていましたが、家族ドラマの方が見どころが多いのかもしれませんね。

(Photo cited from IMDb)
「Seven Sundays」のストーリー
父親の誕生日に、3人の息子と1人の娘が集合します。家族で教会に行って、司祭から祝福されるシーンもありましたが、フィリピンではそんなこともできるんですね。ところが、その直後に、父親が肺がんで余命2か月であることが発覚します。しかし、父親は化学療法を受けることを拒否し、兄弟のあいだで治療を受けさせるか、父の意に沿うべきか口論になります。結局、多数決の結果、父の好きなようにさせることになり、死ぬまでの7週間、毎週日曜日家族で集まることとなりました。しかし、予後2か月の肺がんなら胸水が溜まっていて、酸素吸入くらいするはずですが、この父親はぴんぴんしています。
そこから父親と子供たちの日曜日が始まり、子供たちの性格や抱えている問題が見えてきます。まず、長男のアランは、両親から引き継いだ小さな店を経営しています。ところが、目の前に韓国系の大きなスーパーが建設中で、経営の先行きは明るくありません。また、韓国人オーナーから、駐車場にしたいので店を売るようにと言われています。次男のブライアンは、何をしているのかわからなかったのですが、ビジネスで成功しているようです。しかし、仕事にかまけすぎて、妻と息子に出ていかれた過去を持っています。三男のデックスは、芸能関係の仕事をしていますが、自分が手掛けたイベントが詐欺だったことが発覚し、借金取りに追われる状態です。そして、長女のチャは、夫が他の女のもとに逃げたにも関わらず、夫は海外で手稼ぎ中だと嘘をついています。
(ネタバレ)当初、父親も子供たちもお互いの抱える問題を知らずに、父親のために最後の日々を過ごします。父親は、兄弟たちが仲良くなった様子を見て心から喜びます。ところが、父親の余命2か月というのは誤診であったことが発覚します。ガンだと思われたのは、結核だったのです。いやいや、初期ならばガンと結核を鑑別しずらいこともあるでしょうが、余命2か月の末期と診断したんでしょ? それはないんじゃない?と、個人的にはツッコミをいれました。
父親は打ち明けるべきと思ったのですが、仲の悪かった子供たちが仲良さそうにしているのを見て、とても言い出せません。しばらく黙っていることにしました。ところが、子供たちがそれぞれ抱えている問題が表面化してきます。三男と長男の金銭問題に、次男のブライアンが関わることになり、ブライアンがあまりに上から目線で物を言うので、三男のデックスがすっかりしょげ込み。長男のアランとは口論になってしまいます。これが非常にフィリピン的なのですが、ブライアンは、仕事にかまけて家族に会いにこなかったと非難されます。ブライアンは、母の死後、勉強と仕事を頑張り、三男の学費まで出してやったのに、そんなことを言われてブチ切れです。しかも、彼は仕事にかまけすぎて、妻と子供にも逃げられているのです。自分が犠牲になって家族を守ったと自負しており、今度も家族を助けようとしているのに悪く言われるのは、あまりに可哀そうです。きっとフィリピン人と結婚した日本人は、こういう立場に立たされるんだろうな・・・と暗い気持ちで見ていました。父親は、再び仲たがいする子供たちを見て「自分が本当に癌だったら良かった」とつぶやきます。
しかし、「雨降って地固まる」で、子供たちは、自分の非を認めるようになり、再び強い絆で結ばれるようになりました。母の墓前で意気消沈している父の前に、子供たちはあらわれ、自分たちが父を愛していることを伝えます。
最後のシーンは、アランの店を新装開店して、多くのお客さんが詰めかけているシーンです。韓国人オーナーとしょうもない煽り合いをして、エンディングです。
フィリピン人は「ファミリー、ファミリー」と言っていますが、実際には、それぞれ問題を抱えていて仲が悪いというのはありそうですね。特に、海外で一生懸命働いていた稼ぎ頭が「家族が病気のときに帰って来なかった」と家族から非難されるシーンは、フィリピン映画ではよく見られるシーンです。おそらく、経済的に支えられている方が、その劣等感から、時に支えている側に攻撃性をむけるのでしょう。私は、我がごとのように、うんざりしました。
「Seven Sundays」の監督、出演者情報
本作の監督をつとめたCathy Garcia-Sampana (Molina)さんは、フィリピン映画界No.1ヒットメーカーの監督さんです。ラブロマンスを撮ることが多いですが、コメディや家族ドラマも撮るみたいですね。どれを見ても、名作か佳作かというレベルの作品で、外れがない監督さんです。本作の俳優陣は豪華で、まず次男を演じたダンテスさん。脳筋な演技を脱皮して、最近はいい感じの中年男性を演じるようになりました。長男を演じたAga Muhlachさんは、最近悪役も演じるようになり、ゲイの幅を広げています。三男を演じたエンリケさんも、その頼りない風貌から個性的な役を演じることが多く、印象に残る俳優さんです。
「Seven Sundays」の作品情報
オリジナルタイトル:Four Sisters and a Wedding
公開年 2013年
監督 Cathy Garcia-Sampana(Hello, Love, Goodbye)(ハロー、ラブ、アゲイン)(元カレと解けない恋の疑問)(The Hows of Us)(Love at First Stream)(Patners in Crime)(The Hows of Us)(Meet, Greet & Bye)(Four Sisters and a Wedding)(Three Words to Forever)(She’s Dating the Gangster)(Us in the End)
主なキャスト Ronaldo Valdez(Cedie)(Kapitan Tumba)
Aga Muhlach(Miracle in Cell No. 7)(Uninvited)(Ikaw pa rin ang pipiliin ko)(Dubai)
Dingdong Dantes(トランスバトラー)(バトル・オブ・モンスターズ)(One More Try)(Rewind)(ファンタスティカ)(Only We Know)(A Hard Day)(Sid & Aya: Not a Love Story)
視聴可能メディア Youtube、Bili Bili(英語字幕)

