母の命を犠牲にした黒魔術を施された男の運命「ウリリは黒魔術の夢をみた」

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本ブログを始めた時には、既に、本作の東京での上映が終わっており、その後全国を回ってから関東に帰ってきました。私は、最後の上映地、埼玉の川越のスカラ座で見ることができました。川越は東京から遠いうえに、川越駅からも結構離れていて、なかなか大変でした。古い映画館ですが、200人くらいは入れるサイズの劇場で、お客さんは10人程度だったと思います。

映画としては、わけのわからない作品でした。そもそも設定がぶっ飛んでいます。アメリカ人の黒人とのあいだに子供をもうけたフィリピン人の母は、息子にマイケル・ジョーダン・ウリリという名前を与え、自分の命を犠牲にして息子に黒魔術を施します。この魔術によって、マイケル・ジョーダン級のバスケットプレイヤーになるというのです。確かに黒魔術のおかげで、大した努力もせずにアメリカからスカウトされるレベルのバスケの才能に恵まれたウリリですが、自身のケガや不幸により、それらを乗り越えるために、黒魔術はより大きな犠牲を払うよう、彼の運命を導きます。ちなみにオリジナルタイトルは「Dog Days」です。「夏の暑い盛り」みたいな意味で、「低迷している時期」という意味もあるそうです。めずらしく、日本語タイトルの方が内容をあらわしていますね。

(Photo cited from 映画.com)

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「ウリリは黒魔術の夢をみた」のストーリー

最初から黒魔術のシーンです。森の中でローブをまとった女が、何やら儀式をしており、赤ん坊に言います。「あなたの名前は、マイケル・ジョーダン・ウリリ。マイケル・ジョーダンのようになることを運命づけられている。この車を私だと思って大事にしなさい」と言って、車のボンネットに何かします。車はギャランというクラシックカーです。アメ車にしか見えませんでしたが、古い日本の車のようです。

ウリリは高校生になっています。バスケットボールの才能に恵まれ、チームの中心選手です。また、近々ロサンゼルスからスカウトが視察に来ることになっています。選手としては順風満帆で、彼女もいて、自分の母の形見の車の中でセックス三昧です。家は少々複雑な状況になっており、母の兄弟である叔母さんのところで養育されています。この叔母さんは、ウリリには全く愛情を向けておらず、ウリリが将来稼ぐお金にしか興味がありません。というのも、ウリリの父を最初に好きになったのは、叔母さんであり、ウリリの母が男を奪ったと考えているのです。ですので、今も彼女はウリリにきつくあたります。叔母は、ウリリに練習なんてしなくていい。お前は、アメリカでバスケットボールをすることが運命づけられていると言います。

しかし、スカウトが見に来ると言う試合に、彼は出してもらえないことになりました。彼が膝を痛めているのも理由のひとつですが、コーチの息子をスカウトに見せたいため、コーチがウリリを邪魔に考えたのです。怒ったウリリは、チームをやめました。そのため奨学金ももらえなくなってしまいました。叔母さんは激怒。ウリリ自身も失意に打ちひしがれていましたが、チャンスが巡ってきました。知事の前で、自分がかつて所属していたチームとエキシビションマッチが組まれることになったのです。ウリリは、対戦相手のチームの選手に選ばれます。しかし、試合当日ウリリのチームの選手は誰もあらわれません。どうやら金で買収されてしまったようです。スカウトの前でいいところを見せなければならない、ウリリは相手を挑発。結局、コーチの息子と1on 1をすることになり見事勝利しました。

これでロサンゼルス行が決まったというところで、ウリリは膝に重症のケガを負ってしまいます。そのため、渡米の話もなくなってしまいました。また、彼女は妊娠してしまい、実家を追い出されています。そのことを知った叔母も大激怒。彼女を殺そうとするので、2人は家を逃げ出します。とは言え、すぐに金に困るようになったところで、叔父を名乗る男があらわれます。彼は、母のことを良くしっており、母が黒魔術を使ってウリリにバスケットボールの才能を与えたことも知っています。ウリリらは、彼の元で働くこととなりました。

(ネタバレ)叔父のビジネスというのは、麻薬の販売でした。すぐにウリリも彼女も麻薬中毒になり、稼ぎは多いものの、結局は麻薬にお金を使ってしまい、膝の手術をする金をためることができません。そんな自堕落な生活が続きます。行き詰りつつある2人ですが、今度は彼女が黒魔術の傾倒していきます。なんと、自分のお腹の中の子供を使って黒魔術を成功させ、ウリリの膝を治してしまいました。犠牲になった我が子と失神している彼女を見て驚いたウリリは、叔父のところに相談に行きます。すると、叔父は森で鳥を探す必要があるといって、協力者の男と3人で森に出かけます。そこで、ウリリは、自分の父に出会います。父は、ウリリの母が妊娠していることを知らされていなかったと謝罪し、一緒にアメリカに行こうと誘いますが、ウリリは父の顔面にパンチを見舞います。と思ったら、自分がパンチを受けていました。父の姿は森の中に消えました。こんなことやってられないと、ウリリは叔父の元を離れ、森を出ます。路上で、母だと思いますが、女が彼の車の前に飛び出します。ウリリは、彼女をひき殺し、先に進もうとしますが、車が動かなくなってしまいました。ボンネットを開けたウリリは何かを見たのでしょう。この車のボンネットの中に入り込んでボンネットを閉じます。すると、車は再び動き始めました。森の中の道を走る車を上空から写した絵で、物語は終了します。

最後まで読んでもらった方も、結局何だったのかわからないと思います。私も何が何やらさっぱりわかりませんでした。ともかく、黒魔術は効果がないわけではありませんが、十分なものではなく、周囲の人を不幸にしたり、より犠牲を強いるような性格を持っているものとして描かれていました。奇妙な映画体験でした。

ひとつ重要な突っ込みをいれさせてもらうと、ウリリの身長が170cmもないように見えます。バスケのシーンもショボく、もうちょっと何とかならないかと思います。フィリピンで、長身の黒人俳優を見つけるのは難しかったのだとは思いますが、あまりに説得力がありません。

彼女役を演じたBie Ruaroさんは、美人ではないものの怪しい魅力を放っていました。きっと、こういうアングラな映画にしか出演しないのでしょうが、またどこかで見たいですね。

写真はおまけでもらったポストカードです。川越スカラ座と書いてあるので、劇場オリジナルのおまけですね。「putang ina mo!」と書いてあるのは、「お前の母親は売春婦だ!」という意味です。男をウリリの母に取られたおばさんが言いそうなセリフです。写真も叔母さんでしょう。

「ウリリは黒魔術の夢をみた」の作品情報

オリジナルタイトル:Dog Days

公開年 2018年

監督 Timmy Harn

主なキャスト Ybes Bagadiong

Bie Ruaro

視聴可能メディア なし(劇場で視聴)

「ウリリは黒魔術の夢をみた」のトレイラー

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