本作は、2025年のMetro Manila Film Festivalで見た7本目の作品です。フィリピンには良くある作風で、特にストーリーはなく、ある状況下での6組くらいの人々様子を描き、最後に少しだけ関りがあることがわかる作品です。あんまり日本にはない作風ですね。今回は、インターネットが突然繋がらなくなってしまい、その状況下で人々がたくましく行動したり、それを機に家族の絆が強まるというフィリピンらしい作品です。タイトルの「ReKonek」は、「Re-connect」のタガログ語です。最終的に、インターネットが復旧することと、これを機に家族の絆が復活したことを示しているものと思われます。この手の映画は、普段テレビで見ている俳優が、テレビドラマの設定を引き継いだような役を演じたりなど、パロディ的な仕掛けをしていると思いますが、それがわからないと登場人物が多すぎて、誰が誰だかわからなく終わってしまいがちです。外国人には厳しいジャンルの作品だと思います。

(Photo cited from RealityEntPH)
「ReKonek」のストーリー
ストーリーを追うのが難しいタイプの作品なので、描かれる6つのグループで起きた出来事を紹介していこうと思います。
おそらく近未来が舞台です。人々は、今よりもネットに依存した生活を送っていましたが、突然インターネットに接続できなくなり、世界中がパニックになります。
1.タイからフィリピンに帰国しようとしたところで、ネットが繋がらなくなった2人のフィリピン女性の話。ネットが繋がらないと飛行機が飛びません。やむなく、船でマレーシア経由で帰国しようとするのですが、ATMでお金をおろすこともできません。そこで、スーツケースいっぱいに詰め込まれた家族へのお土産を売ってお金を作りました。しかし、ともかく情報が手に入らず、どの船に乗ればよいのかもわかりません。途方に暮れているところ、フィリピン人の船員に発見され、彼の船に密航することになりました。しかし、途中で発見され、船長に持ち物などを売って見逃してもらい、ようやく帰国しました。
2.この事件を機に、家族内での支配を強めようとする母と家族の物語。ネットが繋がらないので、リモートで働いていた夫などは仕事にもなりません。これを機に、家族を自分の思うようにコントロールしようとした母が、家族に嫌われ、反省し、仲直りする物語です。
3.生きる化石と言われていたおばあちゃの話。時代遅れで化石だと言われていたおばあちゃんが、家に電話線の電話があったため、近所から電話を貸して欲しいという人が殺到し、不貞腐れる物語。最終的には家族と仲直りします。
4.会社が入っているビルのセキュリティが止まってしまい、オフィスから出られらなくなったIT企業の会社員2人の物語。これが一番かわいそうかもしれません。これはどうにもならず、オフィスでサバイバルするほかありません。
5.最後に送った別れのメッセージが届いていないことにして、関係構築を目指すカップルの物語。赤ん坊が死産してしまい、すっかり抑うつ的になった妻に、夫は限界と感じています。そこで、はっきりはわからないのですが、おそらく決定的な別れのメッセージを送ったようです。ところが幸いなことに、届いていないと言われ、2人は恐る恐る夫婦の関係を再構築していきます。
6.殺人犯と間違えられて逮捕される男の物語。間違えて逮捕されるも、ネットが繋がらないと自分のことを証明する方法がありません。そんなはずがありませんが、なぜか、そのうち刑務所にまで入れられて、刑務所で作ったクリスマスランタンが、きっかけとなり、友達に救出されます。
これに加えて、それぞれの物語の登場人物が、お互いに関わりあることが最初にわかるという構造です。映画祭で上映するほどの作品ではなく、普通にクリスマス映画として12月上旬から劇場公開すればよかったのではないかなと思いました。
「ReKonek」の監督、出演者情報
本作の監督をつとめたJade Castroさんは、テレビドラマと映画でコメディ作品を中心に作っている監督さんのようです。こういう作風の作品では、評価は難しいですね。他の作品を見てみたいと思います。本作で印象に残った俳優は、タイから帰国しようとして苦労する女性を演じたBela Padillaさんと、夫婦仲を再生するべく奮闘する夫を演じたGerald Andersonさんです。前者は「The Ultimate Oppa」で可愛らしい役を演じましたが、たった3年で成熟したいい女になりましたね。今後の活躍が楽しみです。後者は、アメリカ人とのハーフでフィリピン人らしからぬ大柄でダンディな役を演じることが多いです。今回も渋い役どころを演じていました。
「ReKonek」の作品情報
オリジナルタイトル:ReKonek
公開年 2025年
監督 Jade Castro
主なキャスト Bela Padilla(The Ultimate Oppa)(The book in the show I watched)
Gerald Anderson(アサルトー狙撃兵-)(Unravel: A Swiss Side Love Story)(牢獄処刑人)(ロシアへ、愛と共に)
視聴可能メディア なし(フィリピンの劇場で視聴)

