不法滞在者として海外で働くのは辛いよ・・・「A Mother’s Story」

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本作は、フィリピン映画でよく描かれる海外への出稼ぎ労働者のお話です。しかし、他の作品と違うのは、1週間の出張でアメリカにいったのち、様々な要因が絡んで不法滞在者として、アメリカで働き続けることになってしまいます。また、盗難防止という体でパスポートを取り上げられていたので、帰国することもできず、徐々に奴隷のような扱いになってしまう苦難が描かれます。また、何とかフィリピンに帰国するも、7年も連絡することができなかったため、家族は見捨てらたと感じており、主人公は再び辛い思いをすることとなります。とは言え、フィリピン映画ですから、その後和解があり、最後はハッピーエンドですので、安心して見ることができます。本作は、アメリカの22都市で上映されたそうです。アメリカ人は、どういう感想を持ったのか気になります。

(Photo cited from IMDb)

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「A Mother’s Story」のストーリー

母親(メディ)がアメリカに1週間の出張に出るシーンから始まります。これは、時系列的に少しあとのシーンで、その後本編が始まります。メディは、無職の夫と息子がおり、メイクの仕事をしています。やがて、妊娠するのですが、胎児の肺に穴が開いていることがわかります。結局、娘が無事に産まれたのですが、継続的に医療を受ける必要がありました。

そんなとき、メイクの仕事でアメリカに1週間の出張に出る機会に恵まれました。そして、現地で旧友(ヘレン)と再会しました。メイクの仕事も終えて、さあ帰国という時に、娘の体調が悪化し、急いで医療費を送る必要に迫られます。そして、ヘレンから、不法滞在のまま働ける仕事を紹介されました。最初は、子供向けのダンススクールの受付の仕事をしていましたが、正規のビザなしでは給料を受け取るための銀行口座を作ることができず、結局続けることができませんでした。

その後、住み込みのメイドの仕事を紹介されます。たまたま、ダンススクールで知っている女の子(チェリー)の家庭だったため、引き受けることにしました。しかし、初日に、盗難防止という体で、パスポートを取り上げられました。

その後、一気に7年後に移ります。どうやら、メディは家族と7年間連絡を取っていなかったようで、久しぶりに再会した家族、特に息子には冷たくあしらわれます。まだ7歳の娘だけは無邪気に、メディの帰国を喜んでくれました。また、夫はいつの間にか別の女と同居しており、その女とのあいだに子供まで産まれていました。困惑するメディに、メディの母がどうして、7年間お金を送るだけで全く連絡を寄こさなかったのかと問います。

(ネタバレ)すると、メディは自分がアメリカで経験した7年間について重い口を開くのでした。当初、家族はメディに親切でしたが、徐々に奴隷を扱うような態度に変わってきます。そこで、ヘレンに相談して、他の仕事を見つけてくれるように頼むのですが、給料がもらえて、衣食住が提供されているだけ良いほうだと言われ、対応してもらえません。さらには、自分の給料の一部をヘレンが着服していることも知り、パスポートもなく、不法滞在者の身分では外に助けを求めることもできず、チェリーがパスポートを盗んできてくれるまで、メディは、その家庭に囚われているような状態になっていたのでした。その家を逃げ出したあと、どういうわけか弁護士の助けを得ることになります。弁護士が言うには、不法滞在ではあるが、労働に対して正当な対価が払われるべきで、人間として扱われなければならないとのことで、逆に、雇用主の夫婦が訴えられることとなりました。そこでも、両親に不利な証言をして、メディを助けてくれたのは娘のチェリーでした。彼女は、ずっと親切なメディに恩義を感じていたのです。

母の口から、重たい7年間の話を聞いた息子と母は涙を流して、メディを受け入れ、自分たちの態度を詫びました。メディは夫に離婚届を突きつけます。メディは、息子と娘、そして母親と4人の家族を再開させます。息子の恋人とともに、息子が海外出稼ぎに出かけるのを見送るシーンで、エンディングです。

フィリピン人を売るのがフィリピン人、不法滞在者から労働を安価に搾取するアメリカ人がいる一方で、人権に厳しく、不法滞在者にも正当な権利が保障されるのもアメリカという、社会の二面性が描かれているのが面白いところでした。また、不在だった母を非難し続けた息子も、恋人を置いて、海外に出稼ぎにでなければならないという象徴的なエンディングも冴えていました。重い中盤ですが、コメディ女優のポクワンさんが、重さを和らげているのも冴えた演出だったと思います。

「A Mother’s Story」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたJohn-D Lazatinさんは、1999年から2014年までテレビや映画の監督として、それなりに作品を残した人です。しかし、その後ぱったりとテレビや映画と関りがなくなっています。もう亡くなっているのでしょうか?? 主役を演じたのは、ブス女優として確固たる地位を確保しているポクワンさんです。注目すべきは、最近、かすれ声と甘ったるい喋り方の個性派女優として売り出し中のXyriel Manabatさんが、娘役で出演しています。当たり前ですが、まだ子供なので、声はかすれていません。声が変わったタイミングが気になりますね。

「A Mother’s Story」の作品情報

オリジナルタイトル:A Mother’s Story

公開年 2011年

監督 John-D Lazatin

主なキャスト Pokwang(Mommy Issues)(Mercury Is Mine)(Oda sa wala)(Becky and Badette)(Call Center Girl

Nonie Buencamino(Smaller and Smaller Circles)(Un/Happy for You)(父が綴った手紙には

Rayver Cruz(The Cheating Game

視聴可能メディア Youtube(英語字幕のみ)

「A Mother’s Story」のトレイラー

トレイラーがなかったので、全編映像のリンクを貼っておきます。

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