IMDbでは、ミュージカル映画に分類されておりますが、実際には最初と最後だけがミュージカル仕立てとなっており、あとはヴァイス・ガンダらしいドタバタコメディです。もっとミュージカルシーンを増やしてもいいんじゃないかと思いました。内容としては、父親から相続するショッピングモールをめぐって、生き別れた兄妹が競い合うのですが、共通の敵と言える人物の登場で、力をあわせて立ち向かうという家族ドラマになっていきます。良くある、昔のヴァイス・ガンダ映画です。ヴァイス・ガンダ映画が好きな人には良いでしょうが、最近の洗練されたヴァイス・ガンダ映画を知っている人にとっては古臭く感じてしまうでしょう。タイトルの意味は「モールはもっと楽しい!」という意味です。

(Photo cited from IMDb)
「The Mall, the Merrier!」のストーリー
父と一緒に大型ショッピングモールを経営するモイラが主人公です。このショッピングモールは、古くて問題も多く、モイラが問題に対応しています。一方、オーストラリアのビジネス界で暴君として振舞っている女(モリセット)が、もう1人の主人公です。モイラの父と、モリセットの母が偶然なのかドバイに旅行に行き、そのまま事故に巻き込まれて亡くなってしまいます。そして、フィリピンでの葬式に、モリセットが参列したことで、モイラとモリセットが兄妹であることが明らかになります。2人の両親は、彼らが子供の頃に離婚して、別々に生きてきたのです。
また、父の遺言により、モールを誰が相続するかという問題になり、遺言状が届く前に、2人はモールの相続権をかけて、モールでの売り上げ対決を行います。バカバカしい対決の結果は引き分け。そこに、父の遺言状が届きました。その遺言状が示していたのは、衝撃の事実でした。モイラは、父の実の子供ではないので、モリセットが全てを相続するとなっていました。モイラは、両親が結婚したときに、すでにお腹の中にいた子供で、父とは血が繋がっていなかったというのです。モイラは、一緒に住んで事業を営んでいた父が、実の父ではないと知ってショックを受けます。しかし、母の連れ子なのだとしたら、離婚時に母が連れていくと思うのですが、この設定は無理がありますね。
モイラは、失意のうちにモールを去ろうとしますが、父の遺品を整理していたとき、奇妙な本を発見します。その本には、謎めいた呪文が書かれていました。それを読み上げると、モール中のマネキンやオモチャなどに命が与えられ、動き始めます。また、この本を探している女(モーラ)がおりました。彼女は、この魔術で人形を操り、世界を支配することを目指していたのです。
(ネタバレ)バカバカしい争いを演じていたモイラとモリセットですが、ショッピングモールの中で暴れまわる、マネキンやオモチャなど対処するために、徐々にかつての親密さを取り戻していきます。そして、マネキンたちを統べる親玉のモーラと対面します。モーラは、2人の親類であったことが判明します。モーラは、2人の母の姉だったのです。と言っても、その設定は大して生かされません。なぜか、モイラとモリセット側についているマネキンやオモチャと、モーラ側についたマネキンやオモチャたちも交えて大乱闘になっているさなか、2人は奪われた魔術書を奪い返し、解除の呪文を唱えて、この事件は解決に向かいます。また、必要ない設定と思いましたが、モイラと一緒に行動していたもいせっとは、モールに飾らた写真が実体化したもので、本物のモリセットは、事務所の中で縛られていました。2人は仲直りして、一緒にモールの経営者として再出発するところでエンディングです。
全体的にまとまりの悪い作品でした。モイラと危機を乗り越えたモリセットが、幻影である意味がありませんし、マネキンたちも、どうして2人に従うものがいる一方で、大半はモーラの従っているのかわかりません。また、途中で若かりしころの両親の写真から、両親が実体化して会話を繰り広げるのですが、父親がモイラに「ソーリー」と言って謝罪するのも意味がわかりません。そもそも、なぜ一緒に暮らしていたモイラを相続人から外したのか、説得力のあるシーンになっていません。また、全体的にゴチャゴチャしており、非常に見ずらい作品だったと思います。ヴァイス・ガンダ映画の中で、最悪の映画とも評されることがあるようです。
「The Mall, the Merrier!」の監督、出演者情報
監督は、主にテレビドラマを中心に活躍しているBarry Gonzalezさんです。私が見た作品は、すべてコメディで、コメディを得意とする監督さんのようです。いずれも日本の深夜番組みたいな軽いノリのコメディで、本作もそんな感じの軽い作風でした。作中で、ヴァイス・ガンダと並ぶ主人公を演じたAnne Curtisさんは、アクション映画での活躍が印象に残る女優さんです。本作では、セクシー衣装を着るシーンが多く、いつもと違った魅力を見せてくれました。
「The Mall, the Merrier!」の作品情報
オリジナルタイトル:Beauty and the Bestie
公開年 2015年
監督 Barry Gonzalez(Izla)(ファンタスティカ)(Princess DayaReese)
主なキャスト Vice Ganda(ホゴシャはつらいよ!)(Patners in Crime)(そして大黒柱は…)(Call Me Mother)(Girl, boy, bakla, tomboy)(The Amazing Praybeyt Benjamin)(Beauty and the Bestie)
Anne Curtis(オーロラ 消えた難破船)(バイバスト)(Bakit lahat ng gwapo may boyfriend?!)(Sid & Aya: Not a Love Story)
Dimples Romana(Deadma Walking)
視聴可能メディア Youtube(英語字幕)

