フィリピンを代表するコメディ俳優のヴァイス・ガンダさんの映画と言えば、オネエギャグ、最近では人情コメディという印象でしたが、本作が派手な本格アクション映画でした。屋上から車がダイブしたり、派手に車が横転したり、ヘリコプターでのアクションもあります。ヴァイス・ガンダさんも、この時は若かったので、かなり危険なアクションに挑戦していますね。また、相棒をつとめるCoco Martinさんは、さすが刑事ドラマで慣らしたキレキレのアクションを見せてくれました。とは言え、ヴァイス・ガンダ映画らしい、バカバカしいギャグも満載で、当時のフィリピン人観客にとって、非常に満足度の高い作品だったんじゃないかと想像できます。3年ほど前には、Netflixに、日本語字幕付きで収録されていたこともあったようで、その時の日本語タイトルは「替え玉美女はトラブルの元」でした。Netflixで、ヴァイス・ガンダ映画を日本語字幕付きで放映していた時代があったんですね。また、復活して欲しい作品です。

(Photo cited from IMDb)
「Beauty and the Bestie」のストーリー
主人公のエリックは、カメラマンとして働いています。妹が2人おり、双子の男の子の母親である妹が、男と駆け落ちしてしまいました。エリックは、若い妹(アビ)と一緒に、双子の面倒を見ることとなりました。ところが、すぐに双子の1人に、目の病気が見つかり、治療を受けないと失明することがわかります。エリックは、一生懸命働きますが、頑張ったところで、カメラマンとして稼げる額は知れています。エリックはすっかり疲れ果てています。
その頃、傭兵国家(?)の要人の娘(ナタリー)が、美人コンテストに出場するため、フィリピンにやってきました。フィリピンに潜伏する謎の日本人ボスが率いる犯罪組織は、ナタリーを誘拐することで、戦争を引き起こし、大儲けすることを企みます。どういう理屈で、戦争が起こり、彼らが儲かるのかは、さっぱりわかりませんが・・・。
警察が、彼らの企みを知ったとき、すでにナタリーは誘拐されていました。そんなことを傭兵国家に知られては大変です。警察の特殊部隊のボスは、頭を抱えますが、エージェントの1人、エマンが身代わりを立てることを提案します。
というのも、ナタリーはエリックにそっくりで、どうやらエマンは、かつてエリックと付き合っていたことがあるようです。それから、エマンは、エリックにしつこく付きまとい、甘えた声で身代わりを引き受けるよう頼みますが、エマンはエリックが男であることを知り、ふったことがあるようで、エリックが絶対に引き受けません。しかし、お金に困ったエリックは、警察が駆け落ちした妹を探すことを条件に引き受けます。
犯人グループは、手元のナタリーがいるにも関わらず、ナタリーが美人コンテストに出ていることに驚きます。すぐに身代わりを立てたことを理解し、今度はエリックを殺害するために、悪漢たちを差し向けます。そこからは、銃撃戦やカーチェイス、屋上から車で池へとダイブして脱出したりと、派手なアクションシーンが展開されます。しかし、危うく死ぬ思いをしたエリックは、こんなことには付き合えないと、警察への協力をやめました。エマンは、エリックの協力に感謝し、駆け落ちした妹を見つけ出しました。しかし、お金の問題は解決していません。どうしようかと思っているところ、エマンの腹違いの弟が、手術台を出してくれていました。この弟は、犯罪組織に属していて、エリックを見つけるために、若い妹に近づいたと思っていましたが、私の勘違いだったのか、その設定が忘れられたのか、彼の出番は、そのままフェードアウトしました。結局、エマンの気持ちに応えるために、エリックはもう少し身代わりを続けることにしました。
(ネタバレ)エリックが仕事を断ったころ、ナタリーは犯罪組織から見事に脱出していました。そして、美人コンテスト会場で2人は鉢合わせます。とは言え、今ごろ本人は出てきても、警備が難しいので、本人の意識を失わせ、そのままエリックが、美人コンテストに出場します。派手な美人コンテストの舞台で、美女たちとエリックが共演します。なぜか、エリックが優勝したところで、ギャングたちがナタリーを奪還しにきました。再び、銃撃戦にカーチェイス、ヘリコプターに乗り移ってのアクションなどが繰り広げられ、悪漢たちは全員退治されました。エリックは、警察に表彰され、甥っ子の眼の手術も無事に終わりました。エリックとエマンが、余韻に浸っていると、エマンの携帯に着信があり、新しいミッションが始まることが伝えられます。そして、エンディングです。
派手なアクション、美人コンテストの豪華なシーン、そこに挿入されるギャグという非常に豪華な作りのヴァイス・ガンダ映画でした。私は、最近の社会的テーマを扱ったヴァイス・ガンダ映画が好きなのですが、これはこれで良いですね。Wenn V. Deramas監督のヴァイス・ガンダ映画の代表作だと思われます。
「Beauty and the Bestie」の監督、出演者情報
本作の監督をつとめたWenn V. Deramasさんは、初期のヴァイス・ガンダ映画を作った名監督です。残念なことに、本作が公開された翌年(2106年)に亡くなっています。これだけノリに乗った作品を作っていたのに、亡くなるとは残念です。本作に登場した異色の俳優は、日本人ボスを演じたJacky Wooさんです。中吾人の名前ですが、日本人(本名は大平義之)です。香港やフィリピンで俳優として活躍していたのだそうです。しかし、英語も日本語も下手で、演技も驚くほど下手です。いったい、どうやって、この世界で生きていたのは不思議でなりません。
「Beauty and the Bestie」の作品情報
オリジナルタイトル:Beauty and the Bestie
公開年 2015年
監督 Wenn V. Deramas(生き人形マリア)(Girl, boy, bakla, tomboy)(The Amazing Praybeyt Benjamin)
主なキャスト Vice Ganda(ホゴシャはつらいよ!)(Patners in Crime)(そして大黒柱は…)(Call Me Mother)(Girl, boy, bakla, tomboy)(The Amazing Praybeyt Benjamin)
Coco Martin(サービス)(Red/Pula)(Love or Money)(キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド-)(Feng Shui 2)(You’re My Boss)(Labyu with an Accent)(3pol Trobol Huli Ka Balbon)
Nadine Lustre(Ulan)(Nokuturo)(Uninvited)(Call Me Mother)
視聴可能メディア Youtube(英語字幕)

