いつも機嫌の悪い妻に、夫は寝取られをしかけるが・・・「Everything About My Wife」

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脚本が破綻しており、見ていてしんどい作品でした。中盤までは、いつも機嫌が悪い妻に対して、うんざりしている夫が、酔った拍子に、知り合いのイケメンに、あんな妻でも口説けるものなら、口説いてもいいよと言ったことから始まる、夫婦再生の物語として成立していたのですが、中盤以降、しかけた寝取られは、いつの間にか立ち消えになり、妻はテレビ番組のキャスターという突然出てきたポジションのため女性のキャリアの問題へと主題が変わり、と思いきや、そのキャリアの話も途中で忘れ去られ、夫の元に戻ってきてもめるという、破綻した脚本の作品でした。監督は知らない人なのですが、脚本家は、フィリピンの伝説的な作品「Hello, Love, Goodbye」の脚本をつとめたRona Coさんです。こんなにダメダメな脚本を書くとは驚きです。「Hello, Love, Goodbye」は監督の力で名作になったのでしょうか? 主演女優も、妻が何をやりたいのかわからず演じているのでしょう。ずっと不機嫌で、演じていてしんどかったと思います。見ているこちらもヘトヘトです。

(Photo cited from IMDb)

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「Everything About My Wife」のストーリー

韓国人のスターがフィリピンに来たため、ファンがスターを取り囲んでいます。そんなとき、地震が起こり、近くにいたカメラマンとファンの1人が出合います。それからあっという間に、恋仲になって、結婚5年目を迎えるところで、本編が始まります。

本編の時点で、夫婦仲はすでに悪化しています。妻はフェミニストなのか、権利とか環境問題などに口うるさく、いつも不満を述べていますが、家計の管理などはおろそかになっています。自分が失敗しても、常に社会が悪いというスタンスなので、夫は地雷を踏まないように気を付けて生活しています。

最初の場面でカメラマンだったのに不思議ではありますが、夫はエリート建築士です。次に、自分の出身地であるセブで大きなプロジェクトを任されることになり、セブに半年間単身赴任する案が持ち上がります。2人の夫婦仲を知っている同僚に勧められるかたちで、セブへの赴任が決まりました。妻は、良いとも悪いとも言わない微妙な反応でしたが、ついてくるとは言わなかったので、夫は、セブに到着し、久しぶりに解放された気分になりました。

ところが、セブでの住居についたところ、妻が待っていました。やっぱり来ることにしたそうです。ご近所には、ワイルド系のイケメン男(ミゲル)がおり、彼が自暴自棄になって、屋根のうえで酒を飲んでいるところを、妻がバランガイの責任者に通報し、2人は知り合いになりました。このミゲルは、ワイルドな顔に似合わず、猫カフェのオーナーです。のちに語られますが、妻を亡くして自暴自棄になっています。

妻が猫カフェでトラブルを起こしたので、夫がミゲルに謝りにいったところで、2人は一緒に酒を飲む関係になり、酔った夫は妻への不満を口にして、「あんな女が誰も手に負えない」といったことから、ミゲルが関心を持ち、ミゲルが妻を口説くことができたら、夫のもとを去っても良いという話になってしまいます。さっきまで死のうとしていた男が、なぜ妻に興味をもったのかが不思議でなりませんでした。

そこからは、ミゲルが口説き、妻が好意を持っているのか、それほどでもないのかわからない反応を示し、家でご機嫌な様子を見せる妻に、夫がやきもちをやいて、2人のデートを尾行するといったコメディが演じられます。

一方で、夫の妹がやっているラジオ番組に、いちど妻を出したことがあり、権利だなんだと語った妻が、なぜかレギュラーキャストに抜擢されます。ちなみに、夫の母は、権利だ環境だといったことばかり語る妻のことが大嫌いです。そして、妻は本当にミゲルの方を好きになってしまったのか?というタイミングで、セブのラジオ番組が、マニラでテレビ番組になるといって、1人でマニラに帰ってしまいました。

(ネタバレ)夫婦は離れ離れになって、お互いのことを大切に思う気持ちが高まり、やりなおしの機運が高まったところで、夫の母の誕生会にあらわれた妻は、再び不機嫌モードに。しかも、ほとんど忘れかけていたミゲルを呼び出し、これから2人で出ていくと言います。しかも、辻褄があわないことに、男2人の企みは途中で知っていたというのです。ならば、なぜミゲルと今から出ていくの? セブとマニラで離れ離れになって、お互いを思う気持ちを確認したシーンはなんだったのか? と混乱させます。さらに、謎なのは、2人で出ていったのち、ミゲルが川に重りを抱いて入っていき、入水自殺を試みます。いずれにせよ、ミゲルに妻を口説かせようとしたことを夫は、真摯に謝罪するのですが、妻は夫に結婚指輪を返します。

その1年後、裁判所で夫婦は再会します。多くは語られませんが、お互いに弁護士がいるため、離婚裁判(アナルメント)なのでしょう。夫はもう1度、「本当にやり直せないのか?」「自分のことを愛していないのか?」と問います。妻は、その問いに答えません。2人で裁判所の塔を見上げてエンディングです。

(それがテーマではありますが)妻が何を考えているのかさっぱりわかりません。女性の権利や環境問題、労働問題について口酸っぱく語るシーンはありますが、もともと韓国スターの追っかけをやっており、社会問題にかかわる仕事をしていた描写はありません。ラジオ、テレビの番組に出演するようになったといっても、もともとは夫のコネ出演ですし、それがテレビキャスターになったという設定にも無理があります。しかも、その設定さえ忘れられたように、またセブに舞い戻ってもめ事を起こします。

さらにわからないのがミゲルです。なぜ、妻を亡くして打ちひしがれているのに、嬉しそうに人妻を口説くのか? しかも立ち消えになっていたのに、久しぶりの呼び出しに応じて、なぜ夫に勝利宣言みたいなことが言えるのか? さらには、なぜその直後に入水自殺をはかるのか、さっぱりわかりません。なぜ、こんな脚本のまま映画にしてしまったのか、理解に困る作品でした。

「Everything About My Wife」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたReal Floridoさんは、テレビドラマを担当することが多い監督さんで、おそらくラブコメディーを撮ることが多い監督さんのようです。本作のまとまりの悪さを経験してしまうと、次は見なくていいかなと思っています。本作では、訳のわからない男を疲れさせる女を演じたennylyn Mercadoさんですが、「English Only, Please」では、非常に愛らしい女性を演じており、好感度が高かったので、本作の脚本が良くなかっただけでしょう。

「Everything About My Wife」の作品情報

オリジナルタイトル:Everything About My Wife

公開年 2025年

監督 Real Florido

主なキャスト Jennylyn Mercado(トランスバトラー)(English Only, Please

Dennis Trillo(Green Bones)(Sapi

Sam Milby(ニャンてこと!

視聴可能メディア Netflix(英語字幕のみ)

「Everything About My Wife」のトレイラー

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