私自身は、見ていないのですが、ハウス名作劇場でアニメ化されていた「小公子セディ」のフィリピン版映画作品が本作です。私自身は「不思議の島のフローネ」「南の虹のルーシー」と言ったす「症状氏セディ」より、ちょっと古いアニメの世代なのですが、母親と妹が好きで良く見ていたことを覚えています。本作の場合、登場人物がフィリピン人ばかりなので、セディの母が、原作ではアメリカ人であるのを、フィリピン人にローカライズしたものかと思って見ていましたが、実はアメリカのシーンであることが後にわかりました。フィリピン人が、タガログ語で演じていて、それがアメリカのシーンだとは思いもしませんでした。そんなわけで、非常に原作に忠実な実写映画化だと思います。ちなみに、ヨーロッパのお城のシーンは、スペインで撮影し、多くのシーンは国内のバギオで撮影されたそうです。なので、木々や草などの植生がヨーロッパのように見えなくはありません。しかし、アメリカ原作の小説を90年代に映画化しているとは、昔のフィリピンは日本に似ているところがありますね。

(Photo cited from IMDb)
「Cedie」のストーリー
「Cedie」の監督、出演者情報
主人公の少年(セディ)らが、野球を楽しんでいるシーンから始まります。フィリピンでも、昔はお金持ちが子供に野球をやらせていたんだなと思って見ていましたが、のちに、このシーンがニューヨークであることを知りました。正直、アメリカには見えません!
そんな頃、イギリスから弁護士がやってきます。と言うのは、セディの父の父(祖父)は、イギリスの貴族であり、アメリカ女性と結婚し、ニューヨークに住んでいたのですが、祖父が病気だと言って、家族3人が呼び寄せられたのです。ところが、イギリスに到着して見ると、祖父は病気ではなく、単に後継者として指名するのでイギリスに戻って来いという話でした。祖父は、セディと母には会うこともしません。セディの父は、家族と離れるなど論外ですから、3人はそのまま帰国することになりました。
しかし、セディの父は間もなく亡くなってしまいます。セディと母は、節約生活をしながら、仕事をする日々になりました。そんなとき、祖父の弁護士が再び訪れます。祖父は、セディを後継者候補とするためにイギリスに呼び寄せることにしたのです。
セディは、祖父のお城に住むこととなったのですが、母と一緒に住むことは許されませんでした。普通ならば、セディは不満を言うところですが、父と母から祖父に対する悪口を一切聞いていなかったセディは、純粋に祖父を良い人と信じて、素直な態度で振舞います。また、お城で働く使用人たちにも、親切な態度で接するセディに、使用人たちはメロメロになります。
一度だけ、母恋しさに屋敷を抜け出したこともありましたが、母がセディを見つけ出し、説得して祖父の元に連れて行ったことで、母は祖父からの信頼を得ました。そして、祖父もセディの純粋な心に感化され、セディを愛するようになり、使用人に対する態度も軟化していきました。
(ネタバレ)ある日、セディのライバルの少年があらわれます。その少年の母が言うには、少年は祖父の長男の子供で、正当の後継者となる資格があるというのです。とは言え、祖父は、この女のことを知っているようで、つれなく追い払いました。セディのライバルが出現したことは、瞬く間にニュースになり、セディの故郷のニューヨークでも新聞で報じられました。故郷の人々、お城の使用人たちは、セディの心配をします。しかし、この少年は、女が祖父の長男と付き合い始める前に、別の男のあいだにできた子供でした。実の父親が登場して、一件落着。祖父は、セディの母をお城に呼び寄せ、これまでの態度を謝罪します。そして、セディを後継者に指名するセレモニーを行って、エンディングです。
王道ストーリーで、上手に2時間にまとまっているのではないでしょうか? 私はアニメ版を見ていないので、このエピソードがないのは残念、という感想がないからかもしれませんが、祖父は徐々にセディを好きになる過程は、急ぎすぎとは見えず、十分に説得力がありました。子供向け映画として、非常に良くできた作品だったと思います。
「Cedie」の監督、出演者情報
本作の監督をつとめたRomy Suzaraさんは、70-90年代に活躍したベテラン映画監督さんです。古い作品は、フィルム自体が残っていないものも多く、残っていても英語字幕が付いている作品が少ないので、私にとっては、本作が初めての作品です。主人公のセディを演じたTom Tausは、子役タレントで引退しています。注目すべきは、セディの母を演じたJaclyn Joseさんです。彼女はカンヌで主演女優賞もとったほどの大御所女優で、ふてぶてしいおばさんを演じることが多いのですが、この時代はすらっとした美人さんなのですね。また、祖父を演じたRonaldo Valdezさんは、30年前の本作でも老人を演じていますが、今も老人を演じています。老け顔ですが、当時49歳です。
「Cedie」の作品情報
オリジナルタイトル:Cedie
公開年 1996年
監督 Romy Suzara
主なキャスト Tom Taus
Ronaldo Valdez(Seven Sundays)
Jaclyn Jose(ハウスメイド 欲望のしもべ)(売られた女 セックスの代償)(高級娼婦)(ローサは密告された)(White Slavery)(Kalel, 15)
視聴可能メディア Youtube(英語字幕)
