娼婦の物語が、まさかの認知症問題へ「高級娼婦」

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本作の存在はずっと前から知っていたのですが、検索によれば「関テレドーガ」でしか配信していないことになっていました。しかし、いつの間にかU-NEXTに入っていました。しかも、見放題作品です。追加料金もいらないのでU-NEXTに入っている人は気楽に見ると良いのではないかと思います。しかし、物語はタイトルからは想像できない方向に進みます。フィリピンのセクシー系映画は、暴力や殺人、お金を奪うための陰謀などに巻き込まれていることが、ほとんどですが、本作では、まさかの母親の認知症問題、父親探しに巻き込まれます。しかも、再開した母親がカンヌで主演女優賞を取った大物です。本格的な認知症問題の映画となり、親子2代の娼婦の物語が2人のあいだで語られるのが、映画のメインパートです。

(Photo cited from Cineamo.com)

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「高級娼婦」のストーリー

主人公はアルマという名の娼婦です。ゴーゴーバーのようなところで働いており、そんなに高級という感じは受けませんでした。自分は源氏名でなく本名のアルマで働いていることが、最初のモノローグで語られます。どうして、そんな設定なのかなと思いましたが、後に母親が訪ねてくる伏線でした。アルマには、3人の常連客がいます。1人は弁護士でサディスト。彼は、イメプレが大好きで、アルマにコスプレさせ、思いっきり殴りつけ、血の味がするキスが好きというヤバい奴です。しかし、金払いが良いので、アルマは殴られることを気にはしていないようです。2人目は早漏の男です。妻思いの優しい男ですが、早漏を改善しようと思っています。3人目は若いやさ男です。彼がアルマに惚れていて、熱心にアプローチしています。こんなに丁寧に常連客の説明をするので、彼らがどう絡んでくるんだろうと記憶しながら見ていましたが、まさかの全然ストーリーに絡んできません。IMDbでは「アルマは高級な売春婦で、夢を追求するため売春を職業としている。彼女は弁護士のタイガー・ジョーと銀行家のカバヨの2人の男性に惹かれ、そのどちらを選ぶべきか悩んでいる」とストーリーが紹介されていますが、そんな話では全くありません。3人の誰にも惹かれていませんし、そんな話ではありません。

物語が動き始めるのは、自分につきまとっていた初老の女が、母を名乗り始めてからです。しかし、アルマは幼いときに、母に売られことを恨みに思っており、母を寄せ付けません。しかし、ある日路上で寝ている母を見て、なにやら様子がおかしいので病院に連れて行くと、若年性の認知症であることがわかります。母は、自分が記憶を失う前に、あなたの父親を捜そうと娘を誘います。当初、アルマは拒否していたのですが、自分が働いていた店が、警察の検挙にあい閉鎖になったので、2日間だけの約束で、父が住んでいたというバターンに行くことになりました。バターンというのは、マニラから北に2時間くらい行ったところでスービックというビーチリゾートで有名な街があります。私も行ったことがあります。

(少しネタバレ)母の認知症にはムラがあり、悪い時は、何もかもわからなくなったり、おもらしするほどですが、良い時は普通に会話して、思い出話を語ることができます。バターンに到着して、父親を捜すのですが、誰も知りません。しだいに母親の記憶に疑問を持ったアルマは、母親と喧嘩になります。すると、母親は過去の母親に虐待されていた記憶を思い出します。母親の母は、彼女を虐待していたばかりか、男たちとセックスさせるよう仕向けており、その結果、彼女も娼婦となったのです。彼女は、アルマを出産したときに、自分も母親のようになるのではないかと恐れ、近所の子供がおらず裕福な夫婦に、アルマを譲ったのでした。こうした記憶がよみがえり、母と娘の若いが成り立ちます。アルマのことはあまり語られませんでしたが、彼女は13歳の時に、その裕福な家から家出したとのことです。バターンでも、母が寝た後出かけて娼婦として仕事をするサービスシーンはあります。

(ネタバレ)母娘の和解後は、2人の話す娼婦トークが面白かったです。印象的だったお客さんや好きになったお客さんのこと。長く娼婦を続けるコツなどが語られます。しかし、ある日、母の認知症が悪くなり、自分がどこにいるのかもわからなくなり、母親に虐待された記憶がよみがえりパニックになります。何とか、その場を収めることはできたのですが、翌朝、これ以上娘には迷惑をかけられないと、母親は黙って娘の元を去ります。娘は、再びマニラに戻ります。店は再開しており、同じように娼婦としての生活が再開します。そしてエンドロールです。

全く予想外のストーリーでした。娼婦をテーマにしていますが、予想外のかたちで母と娘の和解の物語になり、母親役女優の重厚な演技により、表面的な母と娘の物語以上のものとなりました。

「高級娼婦」の監督、出演者情報

監督を務めたMac Alejandreさんは、近年セクシー系映画ばかりとっているようです。過去には「Ang Panday」というフィリピンを代表するコミックの映画化のときに監督を務めているくらいなので、信頼されている映画監督の1人だと思います。最近はどうしちゃったのですかね。主役のアルマを演じているのは、私が「被虐の女王」と呼んでいるAzi Acostaさん。本作ではパーマをかけて派手な娼婦メイクをすることでイメチェンに成功しています。そして、母親を演じたのがカンヌで主演女優賞を取ったJaclyn Joseさん。めちゃくちゃリアルな初期認知症を演じています。彼女は、数々の国際的な受賞歴にも関わらず、セクシー系映画で重要な脇役で時々出演しています。

「高級娼婦」の作品情報

オリジナルタイトル:Call Me Alma

公開年 2023年

監督 Mac Alejandre(シェイム-裸の復讐-

主なキャスト Azi Acosta(ターミナル 人妻の情事)(人妻の秘密 午前0時の誘い

Jaclyn Jose(ローサは密告された)(ハウスメイド 欲望のしもべ)(売られた女 セックスの代償

視聴可能メディア U-NEXT(見放題)(日本語字幕)

「高級娼婦」のトレイラー

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