女性にとっての理想的な失恋からの立ち直りを描く「That Thing Called Tadhana」

スポンサーリンク

本作は完全に女性向けです。フラれてしまった女性にとって、イケメンの男がただ黙って傷を癒す旅に優しく付き従ってくれたらいいなというのを、映像化したものです。男性が本作を楽しむことを想定していないので、主人公の女性のどこが良いのか? どうして、ここまで付き合ってあげなければならないのか? は描かれておらず、ひたすら奉仕する男が描かれます。まあ、女性の夢というのは、こういうものだということを知るには良い映画なのではないでしょうか? とは言え、負担感はなく、普通に楽しむことができました。問題は、Youtubeで英語字幕で見ましたが、英語字幕がドットの荒い、縁取りのないフォントなので、Youtubeの汚い画質の上に乗せると非常に読みづらく、それが大変でした。また、ところどころ音声が消え、字幕にもぼかしが入ります。Fuckとか言っているのが、Youtubeの規制にかかるのでしょうか? Youtubeの規制は、他よりも厳しいのですかね?  タイトルの「Tadahana」は「運命」という意味です。大阪アジアン映画祭でも上映されたことがあるようで、日本語タイトルがあります。日本語タイトルは「運命というもの」です。

(Photo cited from IMDb)

スポンサーリンク

「That Thing Called Tadhana」のストーリー

ハダネオ監督は、いつも印象的なシーンから始めますね。本作では、イタリアの空港で、女性(メイス)がスーツケースの中のものを減らしています。しかし、既定の重さまでは、まだまだ物を捨てなけれればならず絶望しています。しかし、スーツケースの重さが44kgって何を入れればそうなるんだよと思いました。セクシーな下着を捨てたりと物を減らしているところに(←そんなもので重さが減るかよと思いましたが)、イケメンの男性(アントニー)が助けを申し出ます。彼の荷物には空きがあるので、荷物を入れてあげるというのです。おかげで、彼女のスーツケースは、既定の重さをクリアして、無事イタリアを発つことができました。

メイスは飛行機の中では映画を見て大泣きしたり、アントニーの肩にもたれかかって爆睡したり、自由に振舞い、ようやくマニラに着きました。アントニーは、彼女の荷物を持った上げたりしながら「どうしてこんなに荷物があるの?」と聞いたところ、「人生の荷物をすべて持って行ったんだ。そんな私がバカだと言いたいのか」とウザがらみです。空港でタクシーに乗ろうとするも、どうしてもメイスが、帰りたがりません。結局、アントニーは、メイスと近くの日本料理屋で食事をしたり、カラオケに付き合わされることになります(男目線)。

そこでわかってきたのは、メイスには8年間付き合った彼がいたのですが、イタリアに転勤となりました。当初はそんなに長くなる予定はなかったのですが、期間が延びて2年になったので、メイスはお金をためて、サプライズでイタリアの彼の元を訪れたのです。イタリアでも仕事はできるようになるだろうと、フィリピンでの生活にケリをつけ、全てを持って彼の元を訪れたのですが、彼にはすでに現地のガールフレンドがいたことを知ります。そして、絶望のなかでフィリピンに帰ってきたのです。

結局、アントニーは傷心旅行のバギオ行きにも付き合わされることになってしまいます。しかし、どこに行っても、何を見ても、あらゆるワードに対しても、メイスが元カレとの思い出を想起して、絶望します。よくもまあ、それだけ連想できるね、とアントニーが呆れるほどです。

バギオでは、アントニーは美術館で1つの絵に見入っていました。彼はもともと絵を描いていたのですが、大学で美術を専攻したところ、自分よりも才能のある人にたくさん出会い、絵をやめたのだと語ります。メイスは、彼に再び絵を描かせようと、自分が学生時代に考えていたストーリーを語り、それを元に絵を描くことをすすめます。とは言え、ずっと旅のシーンで進む本作では絵を描くシーンがないのですが、この物語が、メタファーとして彼らの運命を描き出します。こういうところが、女性監督の繊細さですね。物語は、ハートを射抜いた矢が、ハートの持ち主を探します。しかし、誰もハートを落としていないと言います。そのうち、ハートは矢から抜け落ちます。矢はハートを落としてから徐々に身体が重く感じます。そして、ハートを再び探します。

(ネタバレ)あとは、ずっと2人の会話劇です。アントニーが元彼女の話をしたり、2人で星を見上げながら、「流れ星を見たら何を願う」といった話をしたり、バギオの絶景を見ながら自分の決意を叫んでみたりです。2人のあいだには恋心が芽生えているのは明らかですが、2人ともはっきりと、それを確認することはなく、間接的な言いまわして、お互いの好意を確認します。ついに旅の終わりがやってきました。「また、会おう」と言ってお別れするのかと思ったら、元カレが花束を持って、彼女の前に現れました。すっと身を引くアントニー。メイスが、元カレにどう対応したのかは描かれませんが、アントニーは笑顔です。そして、メイスの物語を描いて、彼女に送ろうと考えます。

こんな風に失恋したときに、寄り添ってくれたらいいなという女性の理想を描いた作品でした。男も口説かないところが良かったですね。フィリピンだと、女性が別れて傷心しているところに、友達の男が付き合わされるということは良くあることなので、本作を見習うといいんじゃないかと思いました。

「That Thing Called Tadhana」の監督、出演者情報

監督さんは、近年勢いのあるアントワネット・ハダネオさん。近々、専用ページを作る予定なので、その時に、彼女の経歴や全作品紹介をしようと思っています。主役のメイスを演じたAngelica Panganibanさんは、「ドラマの女王」的なポジションの女優さんで、本当に出演作が多いですね。フィリピン女性らしい可愛らしさと図々しさと、滑稽さを兼ね備えており、どんな役でも演じることができます。アントニーを演じたJM De Guzmanさんは、様々な作品で顔を見る存在ですが、主役を演じたのを見るのは、私は初めてでした。本作で女性の心を射止めたはずなので、今後恋愛ものの出演作が増えそうですね。

「That Thing Called Tadhana」の作品情報

オリジナルタイトル:That Thing Called Tadhana

公開年 2014年

監督 Antoinette Jadaone(Fan Girl)(リリア・カンタペイ、神出鬼没)(Alone/Together)(愛して星に)(Beauty in a Bottle)(All You Need Is Pag-ibig)(You’re My Boss

主なキャスト Angelica Panganiban(ニャンてこと!)(Love Lockdown)(Unbreakable)(Beauty in a Bottle)(Love or Money

JM De Guzman

視聴可能メディア Youtube(英語字幕のみ)

「That Thing Called Tadhana」のトレイラー

タイトルとURLをコピーしました