奇抜なタイトルですが、オカルト医学では、携帯電話の電波で体調を歩くする病気を「Allergic to Wifi」あるいは「EHS Symdrome」という概念があるらしく、本作では、なぞの奇病にかかり、田舎で療養する若い女性を好きになった男のラブストーリーです。携帯電話を使って目まぐるしい男女関係が繰り広げられるのに対して、田舎では何もかもがのんびりしており、カセットテープや糸電話、タイプライターで書いた手紙の交換などで、少しずつ愛が深まる様子を描いたものでした。人気女優、Sue Ramirezさんがヒロインを演じており、それだけでも楽しい作品です。彼女が初めてラブストーリーで主演をつとめた作品(ホラー映画で、本作以前に主演作品あり)でもあります。Sue Ramirezさんのファンにとっては見逃せない作品です。

(Photo cited from IMDb)
「The Girl Allergic to WiFi」のストーリー
主人公のアリエスが、ヒロインのノルマに一目ぼれするシーンから始まります。とは言え、アリエスには恋人のような人がおり、ノルマは兄の恋人であることが後にわかります。このアリエスの恋人のような女性が何だったのか最後までわかりません。常に一緒におり、恋人のように振舞うシーンもあるのですが、アリエスが明らかにノルマに惚れているのに、それに対して何かを言うことはありません。また、アリエスが兄の恋人を好きになることで葛藤がありますが、彼女がいるのに、他の女性を好きになってしまったという葛藤はないので、おそらく非常に親しい友達だと思います。主要な登場人物は、みんな大学生です。
ノルマは、大学内で急に鼻血を出したことから病院を受診します。すると、彼女は背中に謎の腫れもあったことから、入院して精密検査を受けることとなりました。検査の結果、一種のオカルト医学ではありますが、電波アレルギーではないかということになりました。いつも不思議なのですが、日本では携帯の電波とルーターから発せられるWifiを区別しますが、フィリピン人は、たまにSignalということもあるとはいえ、一緒くたにWifiと言うことが多いですよね。これって、フィリピン以外でも同じなのでしょうか?
結局、ノルマは電波の届かない場所に住んでいる祖母の元に療養に行くことになりました。ちなみに、この祖母は小池百合子に似ています。そして、バスケの選手であるため頻繁に来れない兄に代わって、アリエスとその恋人(?)のマチャが定期的に、ノルマを訪れることとなりました。
しかし、ノルマが田舎で療養しているあいだに、友達が「ノルマが学校に来ないのは妊娠したからだ」という噂を流してしまいます。そのことにショックを受けたノルマに対して、アリエスとマチャが、噂には噂で反撃しようと、友達の噂を流して反撃しました。すると、ことが大事になり、ノルマの恋人である兄にまで飛び火して、兄がバスケチームのレギュラーから外されることになってしまいます。兄はカンカンに怒って、「もっと早く別れればよかった」と吐き捨てます。2人の関係は破局してしまいました。
落ち込むノルマを、祖母が慰めます。そして、自分の気持ちを手紙にしたらどうかと勧めます。ノルマは、タイプライターを使って、アリエスの兄に手紙を書きました。その後、2人の手紙のやりとりは文通のようになり、すっかり復縁した状態になりました。ところが、この手紙を書いていたのは、アリエスだったのです。兄は、ノルマの手紙を捨ててしまい、不憫に思ったアリエスが、代わりに返事を書いてしまったのです。
ノルマの誕生日パーティの日に、なかなかやってこない兄のことを心配するノルマに対して、アリエスとマチャはドライブに誘います。電波を防ぐと信じられているアルミホイルで作った帽子を被り、車もアルミホイルで覆います。ドライブの帰り道に、アリエスは手紙を書いていたのは自分であったことを告白します。それは、「兄とノルマが復縁すると思ったから」と説明しました。実際、ドライブから戻ると、兄は花束を持って現れました。しかし、文通をしていたのが兄ではなかったことを知ったノルマは、心の底から喜ぶことはできませんでした。
(ネタバレ)しかもまずいことに、兄はノルマと別れてすぐに別の恋人を作っていたことが判明。アリエスは兄に真実を語った方がいいと言いますが、兄は結局言い出すことができず、誤魔化してしまいます。しかも、携帯電話の写真からバレてしまい、激怒したノルマは、アリエスに「兄は、この女をただの友達だと言っているが本当か?」と詰め寄ります。アリエスは、「ただの友達だ」と答えてしまい、ノルマは失望し、2人に対して絶交を言い渡します。
その後、逆ギレで弟とも喧嘩をした兄ですが、やがて後悔して、アリエスと和解。そして、「お前がノルマのことが好きなのは知っているし、ノルマもお前のことを待っているから行ってあげて欲しい」と語ります。アリエスが兄と車の中でグータッチをした直後、交通事故でアリエスは帰らぬ人となってしまいました。
ショックを受けたノルマは、これを機に、学校に戻ることにしました。そして、アリエスからカセットテープでメッセージが残されていたことを知ります。そのメッセージには、会った瞬間から好きになったこと、過ごした日々への想いが語らていました。メッセージに勇気づけられたのか、電波が届く場所まで来ても何の体調不良もありませんでした。そこには、アゲハ蝶がとんでいて、ノルマは「これはアリエスだ」と言います。ノルマがセスナで空に飛びあがるシーンで、エンディングです。
序盤でオカルト医学が始まったときには、どうなるかと思いましたが、田舎に引っ越してからは、穏やかでノスタルジックなラブストーリーでした。電波の届く場所にいる兄が、新しい女をすぐに作ってしまうのが、良い対比になっていました。祖母の家で使われている道具も80年代をほうふつとさせる懐かしいもので、おじさん世代には見やすいラブストーリーだと思います。
「The Girl Allergic to WiFi」の監督、出演者情報
本作の監督をつとめたJun Lanaさんは、ゲイをテーマにしたコメディ作品で有名な監督さんですが、たくさん見ていくとゲイ関係じゃない映画も多いですね。ゲイものの方が海外に輸出しやすいのでしょうか? 主演のSue Ramirezさんは、最近すっかり太ってしまい、まだ20代なのにおばちゃんぽい雰囲気が出始めてしまいました。しかし、この頃はまだ可愛らしいですね。恋多き女としても知られており、俳優や政治家と交際しては破局というのを繰り返しています。注目すべきは、マチャを演じたAngeli Nicole Sanoyさん。子役出身で、本作公開時で17歳。おそらく150cmないほど、小さく、子役だったのか、そのまま大きくならず年を取ってしまった感じです。安達祐実のような経歴ですね。今後の役どころが気になります。
「The Girl Allergic to WiFi」の作品情報
オリジナルタイトル:Ang babaeng allergic sa wifi
公開年 2018年
監督 Jun Lana(ダイ・ビューティフル)(Ten Little Mistresses)(Haunted Mansion)(Bwakaw)(Call Me Mother)(そして大黒柱は…)(Big Night!)(Kalel, 15)(Barber’s Tales)(Becky and Badette)
主なキャスト Sue Ramirez(Love Lockdown)(デッド・キッズ)(母の面影が語ること)(ワン・ヒット・ワンダー 君を想う歌)(The Kingdom)(Flower Girl)(Mommy Issues)
Jameson Blake(悪キャラ養成アカデミー)(Flower Girl)(Guilty Pleasure)
Angeli Nicole Sanoy
視聴可能メディア Bili Bili(英語字幕のみ)

