フィリピンの離島Batanasの美しい風景を楽しむ「You’re My Boss」

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なかなか良くできたコメディでした。休暇を取った営業部長の代わりに、部長代行となった女性が、取引先と交渉に応じるも、代行じゃ話にならないと言われ、自分の部下を部長に見立てて場を乗り切るのですが、そのことで力関係が逆転するという仕掛けが秀逸です。フィリピンのコメディ映画では、表層的なギャグが多く、こうした構造的なコメディは少ないので印象的でした。こういうのだと外国人の我々にも楽しめていいですね。また、嘘から始まった交渉ですが、最終的にビジネスにおいて最も重要なのは信頼であるという流れになるのも、フィリピン映画にしては珍しく教育的で好印象です。とは言え、本作の最大の見せ場は、取引先にフィリピンの良さをプレゼンするために訪れたBatanasという離島の風景、人々の生活ぶりでした。フィリピン人にとっても、一生のうちに行きたい場所ベスト10に入る場所のようです。また、行きたい場所が増えました。

(Photo cited from IMDb)

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「You’re My Boss」のストーリー

主人公のジョルジナは、最初からわがままで、思いやりのない女性として描かれています。特にもう1人の主人公ポンとの出会いは最悪でした。ポンがたくさんの荷物を持って手がふさがっているにも関わらず、エレベーターのボタンを押すよう頼まれても「それは命令?」と聞き返し、さらには自分が行きたい場所の階のボタンを押させるくらいです。こういう短いエピソードで、登場人物の性格を描くのはうまいですね。また、ジョルジナは、自分に言い寄ってきていた男がいたのですが、ちゃんと交際せずに2年待たせていたため、その男は他の女と付き合い始めてしまいました。そんなこともあり、ジョルジナは常にイラついています。

その日、ジョルジナとポンは、営業部長から呼び出しを受けます。部長は休暇を取るので、その間トニーに部長代行を頼みたい、また日本の航空会社との交渉を任せるというのです。これは昇級を判断するテストでもあり、もし失敗すればすべてを失うだろうと言われます。そして、臨時にポンをアシスタントの使うよう命じられます。交渉に失敗すればすべてを失うって、映画の中だからですかね。さすがに、これはフィリピンでもパワハラだと思いますが・・・。

さっそく日本の会社の社員と交渉が始まります。しかし、日本側の社員は、部長代行との交渉を認めず、交渉を打ち切ろうとします。そこで窮したジョルジナは、ポンを部長と見立てて、自分が部長をサポートするアシスタントを演じることで、その場を乗り切ります。そこから、ジョルジナは、立派な洋服を着せたり、英語のアクセントを直したりと、ポンを部長に見えるように仕立てます。

ところが、翌日の会合はゴルフをしながらということになりました。ゴルフの経験のないポンには何ともなりません。「ゴルフもできない相手とは取引できない」と言う日本の社員に、ポンは素直に謝罪し「良いビジネスマンは、失敗を認め、失敗から学ぶものです」と理解を求めます。

また翌日もゴルフの予定だったのですが、幸いにも大雨が降り、ポンは自分の得意なバスケットボールに誘い、取引相手と親交を温めます。このあたりから、下っ端扱いされていたポンの立場の方が上になり、焦燥感漂うジョルジナとの立場が逆転します。ひととおり立場が変わったことで生じるコメディを演じたのち、日本の企業から最終課題を突き付けられます。日本の旅行者にとってもっと価値ある旅行先を紹介して欲しいというものでした。そこで、2人はBatanasを選びました。

Batanasは、ポンの出身地でもありました。2人はBatanasの美しい景色、素朴でな人々の生活ぶりを堪能したあと、ポンの家族にも会いました。ジョルジナは、彼らの正直な生き方に心を打たれます。この頃には、2人の関係はかなり親密になっており、ポンはジョルジナに「俺ってハンサム?」と聞けるくらいになっています。映画の中だけかもしれませんが、フィリピン男は相手が自分に気があると思ったら、すぐにこれを言いますね。1回自分も言ってみたいですが、その勇気がありません。

(そろそろネタバレ)結局、Batanasをテーマにしたプレゼンは大成功。日本のお客さんは、「他の旅行先は現実からの逃避でしかないが、Batanasには人間の信頼を取り戻す旅でもある。そこが気に入った。私は信頼できるパートナーと仕事がしたい」と大絶賛します。さすがに、そこまで言われて、嘘をつき続けることもできず、ジョルジナは、ポンが部長ではなかったことを告白します。当然ですが、取引先は大激怒。この話はなかったこととなりました。また、ジョルジナは元彼からメッセージを受け取り、彼に会いに行きました。そのことをポンに伝えたところポンは怒って去っていってしまいました。ジョルジナはすべてを失います。

(ネタバレ)部長がバカンスから帰ってきました。部長は、交渉に失敗したジョルジナを責めます。特に、自分自身を良く見せるために、部長に相談することをせず、嘘をついて交渉を継続したことを非難します。彼女はクビを宣告され、失意のうちに片づけをしていると、今度は部長が上機嫌な様子で近づいてきます。結局、交渉はうまくいったと。日本側は「良いビジネスマンは失敗を認め、失敗から学ぶものだ」と2人を高く評価したというのです。彼女は、部長が自分にどれだけ期待しているかを聞きました。また、ポンが家族の事情で地元に帰ることも。慌てて追いかけるジョルジナ。エレベーターに乗っているポンを発見します。ドアを開けるボタンを押すと、ポンが閉めるボタンを押します。何度もそれを繰り返しながら、トニーが元カレと会ったのはお別れを告げるためだったこと、今はポンを愛していることを伝えると、ポンは満面の笑顔でジョルジナをエレベーターに迎え入れます。

「You’re My Boss」の監督、出演者情報

監督さんは、近年勢いのあるアントワネット・ハダネオさん。近々、専用ページを作る予定なので、その時に、彼女の経歴や全作品紹介をしようと思っています。ジョルジナを演じたToni Gonzagaさんは、本作が公開された2015年の時点で、部長代理の役を演じるほどなので、ラブストーリーで主役を演じていたのは2000年から2010年くらいのあいだです。その時期は、フィリピンの映画が不振だった時期ですし、現在では配信で見ることができる作品が少ないので、彼女の女優としての全盛期を見るのは難しいかもしれません。最近は映画のプロデューサーや、テレビ番組の司会を中心に活動しているようです。ポンを演じたCoco Martinは、7年間で1600話以上作られた空前のヒットドラマ「Ang probinsyano」で主役を演じ始めたのが、本作の公開年と同じです。ちょうど、この映画の頃がスター街道を突き進む前夜くらいなのかなと思うと、感慨深いです。

「You’re My Boss」の作品情報

公開年 2015年

監督 Antoinette Jadaone(Fan Girl)(リリア・カンタペイ、神出鬼没)(Alone/Together)(愛して星に)(Beauty in a Bottle)(All You Need Is Pag-ibig

主なキャスト Toni Gonzaga

Coco Martin(サービス)(Red/Pula)(Love or Money)(キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド-

視聴可能メディア IWnatTFC(英語字幕のみ)

「You’re My Boss」のトレイラー

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