呪われた家に引っ越してきた家族を襲う悲劇「Hellcome Home」

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最近、こってりした恋愛映画や家族ドラマを見ることが多かったので、口直しにフィリピンホラーを見ました。本作は、悪い悪霊と良い悪霊が入り混じって、現象をややこしくするという、非常にフィリピンホラーらしい作品でした。こういうのは、日本の作品になさそうなので、日本に紹介して欲しいですね。さらに良かったのは、こうやって入り混じる作品は他にもあるのですが、呪われた家に住んだ以前の住人の悲劇を描いたことで、視聴者にわかりずらくなりがちな、良い悪霊と悪い悪霊の区別がわかりやすくなったことです。ですので、後半になって複雑怪奇な現象の種明かしをしてくれるという楽しみもあります。最後のクライマックスでは、良い悪霊が何もしなくなり、何じゃそりゃとは思わなくもありませんが、やはり最後は人間が苦境から脱出しなければならないのでしょう。

(Photo cited from IMDb)

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「Hellcome Home」のストーリー

赤ちゃんを連れた家族が、田舎の大きな邸宅に引っ越しするシーンから始まります。家族構成は、父(ピーター)、母(マーシー)、息子、祖母、赤ちゃん、そして住み込みのベビーシッターです。さっそく、家族でドローンを飛ばして遊んでいたところ、モニターに怪しい男が映り、なんだか嫌な予感が、家族によぎります。

ホラー映画ですから、家族は少しずつ奇怪な現象を経験するようになります。特に祖母は、嫌な感じを強く感じたようで、元のところに帰ろうと強く主張しますが。ピーターはそれを認めません。というのも、ピーターは引っ越してきたあと、仕事を失ってしまい、唯一の財産である、この邸宅から離れることができないのです。

その後、ピーターは近くのバーで飲んでいるときに、邸宅に関するうわさを耳にします。その噂というのは、前に住んでいた家族は、父親によって惨殺されたというのです。ピーターの頭には、ときどき見かける怪しい男の顔が浮かびます。「お前の気が狂わないように気をつけろよ」と言われます。

さて、ピーターが家に帰ると、祖母が音頭を取って、家族みんながいなくなっていました。取り残されたピーターですが、なぞの女があらわれて、「あなたも家を出た方がいいよ」と言われます。ところが、マーシーが邸宅に戻ることを強く主張したので、一家全員が戻ってきました。

突然、1993年と表示され、時代が遡り、同じ屋敷に、違う家族が住んでいます。こちらの家族は、いろいろと訳ありであることが徐々にわかってきます。家族構成は、父親(ナンディ)、母親(シンティア)、娘、息子、そして年の離れた少女です。この少女は、母親が浮気をしてできた娘で、そのため父親は下の娘にはきつく当たります。長女は、東京の大会に出るほどの体操の選手ですが、妊娠が発覚します。息子はゲイが学校でバレてしまい、恥ずかしい思いをしており、ナンディは不動産業をしているのですが、当てにしていた土地の取引が、農民たちの怪しげな行動から、ポシャってしまい経済的に不安を抱えています。また、妻は、下の娘の父親が何度もヨリを戻そうと訪れてくるので、家庭内の立場が非常に悪い状況です。多くの問題を抱えて、それぞれヘトヘトになっているところに、怪奇現象があらわれます。怪奇現象は、それぞれが抱える問題と関連した魅惑的なかたち、あるいはおぞましい経験として、最初はあらわれますが、徐々に暴力的に、家族を襲うようになります。もはや限界というところで、血まみれの父親が映し出され、ナンディは父親の手にかけられたことが暗示されます。

(ネタバレ)再び現代に戻ります。序盤で、ピーターの家族が経験した怪奇現象のシーンが再生されますが、違うのは1993年時代の家族も写っているところです。過去の家族は、邸宅に住み着いた悪霊から現代の家族を守るために、行動し、邸宅を去るように警告していたことがわかり、過去の惨殺事件は、悪霊と一体化したシンティアが起こしたものであることも発覚しました。最も心が弱っていた者に憑りついたようです。そして、シンティアが悪霊の本体としてあらわれます。しかし、シンティアの悪霊は、ピーターをいざない、ピーターの方に憑りついてしまいます。

そこから、少しわからないのですが、ピーターとナンディ(序盤から出ていた怪しい男)が取っ組み合いの格闘をすることとなり、悪霊の力を持ったピーターは、ナンディを返り討ちにします。ピーターは、自分の家族に手をかけようとするのですが、ギリギリのところで正気を取り戻し、家族を邸宅の外に逃がしたのち、邸宅に火を放って、自分の焼け死ぬことを選びました。燃える邸宅を眺める家族を映してエンディングです。

多分ですが、ナンディは、自分の妻に憑りついた悪霊を退治するために、ずっと邸宅にはりついていて、その悪霊がピーターに移ったことを知り、ピーターと格闘したのかなと思います。しかし、なぜナンディがそれを知りえたのか? そもそも93年には悪霊が憑りついた妻を殺しているのに、ピーターを殺しても同じじゃないか? その点については何も考えてなかったのか?という疑問が残ります。また、農民がいろいろ怪しいことをやっているのですが、それは本編との直接的な関係は描かれませんでした。おそらく、最初に邸宅に悪霊が憑りついたことと関係しているという裏設定があるのでしょう。

「Hellcome Home」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたBobby Bonifacio Jr.さんは、その異常な創作ペースから、私が一種の天才と評価している監督さんです。凄い傑作はないものの、年に10本という創作ペースを考えると、どれも一定の面白さはある、悪くない作品です。本作も傑作かと言えば、それほどでもありませんが、見る価値のある面白いホラーに仕上がっていたと思います。ピーターを演じたのは、イケメン俳優のDennis Trilloさん。ナンディを演じたのは、「Quezon’s Game」でケソン大統領を演じたRaymond Bagatsingさんです。彼の植木等風の雰囲気は印象に残っており、本作でも登場人物が多く混乱しがちな作品の中で、埋没しない存在感を発揮していました。

「Hellcome Home」の作品情報

オリジナルタイトル:Hellcome Home

公開年 2019年

監督 Bobby Bonifacio Jr.(セカンドチャンス 若返った熟女)(ランドリー セックスの罠)(娘のあやまち セックスの断罪)(売られた女 セックスの代償)(人妻の妄想-セックス フォン-)(路地裏の秘め事 ~セックスの天使~

主なキャスト Dennis Trillo(Green Bones)(Sapi)(The Janitor)(Everything About My Wife)(Bakit lahat ng gwapo may boyfriend?!

Alyssa Muhlach

Raymond Bagatsing(Quezon’s Game

視聴可能メディア Youtube(英語字幕)

「Hellcome Home」のトレイラー

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