フィリピンには無数の恋愛映画がありますので、その中には格差婚を扱った作品も存在します。恋愛映画を見るのは殆ど女性なので、女側が貧乏で、男側が大富豪と言う組み合わせです。当然、男側の家族が結婚に反対するので、2人は困難を乗り越え、愛を成就するか、自分の家族がバカにされるのが耐えられず、結局は愛を捨てて家族を取るという結末を迎えるのが王道です。本作は、むきになった両家がバカげた「Prenup(婚前契約)」を積み上げるというコメディパートがハイライトとなっています。そこは面白いのですが、2人が出会って結婚しようとするまでに、NYでの恋愛ドラマが1時間、両家がもめ始めてからフィリピンでコメディが始まって1時間と、2本分の映画を見ているような感じなので、けっこう見るのが大変です。コメディがメインならば、NYでの恋愛ドラマは少し削ってもいいのではないかと思いました。ちなみに、本作は権利者のRegal Entertainmentが、なぜかFBでのみ配信しています。FBは映画を見るプラットフォームではないので、字幕が様々な表示と重なってしまい、非常に見ずらかったです。

(Photo cited from IMDb)
「The Prenup」のストーリー
最初、多くの登場人物が出てくるので混乱しますが、やがてヒロイン(ウェンディ)が明らかになり、彼女は実の父親に会うためにNYに行こうとしていることがわかります。しかし、空港への道中で、交通事故に遭ってしまいます。運転手が起こした事故で自分には関係ないという態度の男(ショーン)に、ウェンディとその家族は苛立ちます。
そして、いよいよNY行きの飛行機に乗ったところ、2人は隣の席でした。先ほどの事故のことを蒸し返し、絡むウェンディでしたが、やがて、2人は仲良くなり、NYで行動を共にするようになりました。
2人でNY観光したのち、ウェンディの父親に会ったのですが、父は妻と喧嘩したため、妻が娘を家に入れないと言い始めたと言います。ウェンディは行き場を無くしてしまい、ショーンの家に泊めてもらうこととなりました。そこからは、NYでの2人の生活、そして少しずつ距離を縮めてお互いを好きになっていきます。そもそも美男美女ですから、NYという舞台でロマンチックに2人の恋愛が描かれます。
そして、いよいよ身体の関係になるというところで、ウェンディが古風な貞操感を持っていることが発覚します。彼女は、結婚するまでは身体の関係は持たないと考えていたのです。驚くショーンを背に、一度は出ていくウェンディですが、結局は追いかけたショーンが、結婚を申し込みました。
2人がフィリピンに戻り、家族に紹介してからコメディ作品に変わります。ショーンは金持ちの一族だったのです。ショーンの家族は、女の家族を調べ上げ、貧しい家だといって、2人の結婚に反対します。しかし、ともかく両家顔合わせとなりました。ウェンディの家は、貧しくは見えませんでしたが、父親がゲイで、妹がシングルマザーです。これには、ショーンの家族は明らかに不快感を示しました。この点はよくわからなかったのですが、おそらく、このゲイの父親は母親の再婚相手で育ての親なのでしょう。その点はあまり語られていなかったと思います。
しかし、ショーンが真剣にウェンディを愛していることを知り、彼の家族は結婚を認めるしかありませんでした。その代わりに、「離婚したら、ウェンディは財産の一切を手放す」という婚前契約を提案します。ウェンディはお金目当てではないので、この条件を了承しようとするのですが、ウェンディの家族は、彼女に不利益にならないようにと、ウェンディ家側からも条件を提案します。その条件が「男が浮気をして別れた場合、女が財産を手にする」「女が太ったら1ポンドごとに1万ペソの罰金を取る」などバカげたことにまで発展します。しかし、日本のように「結婚前の財産はそれぞれのもの。結婚後につくった財産は別れた時に2等分する」というシンプルなルールはないのでしょうか?
(ネタバレ)この両家の争いは、ウェンディの妹とショーンの弟のいさかいへとも発展し、パーティ会場で、酔ったウェンディの妹が、ショーンの弟をゲイだと放言して大問題になってしまいます。もはや、疲れ切った2人は、結局お別れすることになってしまいました。
2人は意気消沈して、これまでの生活を続けます。しかし、2人の様子に心を痛めた両家が和解して、2人の関係は元に戻りました。2人がキスをしてエンディングです。
金持ちの家が、そんなことで和解しないだろうとは思いますが、女性向けの娯楽作品ですから、このエンディングで良いでしょう。美男美女のラブロマンスに、格差婚のドタバタコメディをくっつけた作品だと言えるでしょう。男にとっては異常に長く感じる作品でした・・・。
「The Prenup」の監督、出演者情報
本作の監督をつとめたジュン・ラナさんは、あと1作品ほど見れば、ネットで見れる作品をコンプリートできるはずなので、特集ページを作る予定です。本作は、おそらく転機になった「ダイ・ビューティフル」を撮る前年の作品です。「ダイ・ビューティフル」を撮るまでは、案外普通の映画を撮っていたんんですね。ヒロインを演じたJennylyn Mercadoさんは、相当美人ですが、素っ頓狂な声をあげて、少し痛い人を演じるのが得意です。そういう芸風なのでしょうね。ですので、フィリピン女性に人気がありそうな女優さんです。
「The Prenup」の作品情報
オリジナルタイトル:The Prenup
公開年 2015年
監督 Jun Lana(ダイ・ビューティフル)(Ten Little Mistresses)(Haunted Mansion)(Bwakaw)(Call Me Mother)(そして大黒柱は…)(Big Night!)(Kalel, 15)(Barber’s Tales)(Becky and Badette)(The Girl Allergic to WiFi)(The Panti Sisters)(Ang Dalawang Mrs. Reyes)(Your Mother’s Son)(Gigil)
主なキャスト Jennylyn Mercado(トランスバトラー)(Everything About My Wife)(English Only, Please)
Sam Milby(ニャンてこと!)(Everything About My Wife)
視聴可能メディア Facebook(英語字幕のみ)

