ロースクール学生たちの青春と司法試験を描く「Bar Boys」

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本作は、Metro Manila Film Festival 2025で見た「Bar Boys: After School」の前作です。私は何も知らずに続編から見てしまい、今回あとから前作を見ることとなりました。続編では、弁護士となった3人のその後の人生が描かれますが、本作では学生時代と司法試験が描かれています。前作では、卒業後の話なので、フィリピンで弁護士になるためのプロセスは、あまり言及されていませんでしたが、本作を見ると、法学部というよりロースクールのようなシステムのようです。フィリピンのロースクールのシステムに加え、あまり描かれない男同士の友情(ゲイを除く)が描かれることは、フィリピン映画では少ないので興味深い作品でした。女性は、男同士(しかも4人ともイケメン)の友情を描いた作品が好きなので、フィリピンでも圧倒的に女性に支持されているようです。

(Photo cited from IMDb)

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「Bar Boys」のストーリー

男たちがオンラインゲームを楽しんでいるシーンから始まります。のちに、彼らはロースクールの入学試験を受けていたことがわかり、4人の中で3人が合格しました。合格しなかった1人は、俳優になることにしました。彼はポスターに乗っている4人のうちの1人ですが、このあと、最後のシーンまででてきません。

彼らの入学したロースクールは、フィリピンで1番の学校だったようで、一般的な学校の司法試験合格率は11-30%ですが、この学校は常に50%を超えているとのことでした。家族は「ついに我が家から弁護士が出る」と大喜びするような学校です。

3人の紹介をすると、1人は貧乏な家庭出身のエリック、もう1人は中流下級出身のトラン、最後に金持ち家庭出身のクリスチャンです。ちなみに、この3人の続編での立ち位置は、エリックが庶民派の弁護士、トランがロースクールの教授、クリスチャンが金持ちのための弁護士です。本作でも、大学の先生になるトランがリーダー的なポジションで、クリスチャンは親の援助を受けていることもあり成績優秀者です。

3人の学校生活がコメディパートです。個性豊かな教授陣が、やっかいな講義を行います。また、勉学以外では、いじめを目撃したり、パーティのあと夜を共にした女性のクラスメートが、弁護士志望だけあって、深い関係を望んでいなかったりと、彼らの学校生活が描かれます。恋愛が描かれるのは、金持ちのクリスチャンです。彼には、彼女がいるのですが、普通階級出身なので、父親から「安っぽい女」と断じられ、反対されています。クリスチャンは熱心に彼女をかばい、彼女に愛を囁くのですが、勉強が忙しくなり、2人の気持ちはすれ違うようになりました。結局2人はお別れすることになりました。しかし、最後の最後にヨリを戻します。

あっという間に月日は流れ、最終年度になりました。そこで大きな問題が立ちはだかります。学部長は、卒業試験の合格基準を発表します。2種類の合格基準の決め方があるらしく、1つは基準点を超えた者を合格させる方法、2つ目は学生の点数をもとに基準点を決める方法です。学部長は、2つ目の方法を取ることを宣言します。そして、成績優秀者のクリスチャンがいるため、合格基準が引き上げられ、4人が留年になってしまうだろうと言います。その4人にはエリックが含まれていました。エリックは、親が病気になってしまい、十分な勉強時間が取れていなかったのです。

ここが変なところなのですが、学部長はクリスチャンに、わざと成績を落としてクラスメートを救うか、そうしないかを考えるように迫ります。クリスチャンは、父親のために、成績優秀者で卒業という称号を獲得せざるをえず、わざと低い点数を取ることを拒否します。すると、エリックは、「自分たち貧乏人は、勉強に集中する時間もなく不公平だ」「なぜ、ただの称号のために、友達を助けないんだ」と激怒します。このへんの感覚は、日本人とはかなり異なりますね。フィリピン人らしいと思いました。

(ネタバレ)結局、クリスチャンとトランが学部長に働きかけ、その熱心さに感激した学部長は、基準点方式で卒業者を決める方法を採用しました。そして、エリックは無事卒業することができました。というか、最初から基準点方式にしろよ・・・と思いましたが。しかし、司法試験にはエリックが合格することができませんでした。彼は金銭的に勉学を続けることが困難で、諦めることを考えていたのでしが、学部長と俳優になった友達からの援助を受けることとなり、翌年司法試験に合格します。3人は晴れて弁護士となり、法廷で再会します。そしてエンディングです。

フィリピンのロースクールは、学生が所属する社会階級によって、大きな有利不利があるようですね。しかし、それらを乗り越えて友情を維持するところが見どころなのかなと思います。続編で、介護されつつ、弁護士としての有益なアドバイスを語る学部長が、本作ではふくよかな中年女性であることに驚きました。わずか8年後に撮影された続編では、ガリガリの老女になっていますが、ガンか何かになったのでしょうか??

「Bar Boys」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたKip Oebandaさんは、まだ作品数は多くありませんが、「Balota」や「Liway」など非常に印象的な作品を残している監督さんです。あらためて作品を眺めると、自叙伝的な作品である「Liway」は、本作のあとに撮られたものなのですね。娯楽性の高い作品から、社会的な作品を撮るようになったというのは珍しいですね。俳優陣は、続編を見たあとに本作を見たので、お馴染みの顔ぶれです。庶民出身の学生を演じたCarlo Aquinoだけは年をとりませんね。あとの出演者は8年後の続編で、すっかりおじさん、おばさん、おばあさんになっています。

「Bar Boys」の作品情報

オリジナルタイトル:Bar Boys: After School

公開年 2025年

監督 Kip Oebanda(Liway)(Nay)(Balota)(Bar Boys: After School)(Tumbang preso

主なキャスト Carlo Aquino (Bata bata paano ka ginawa?) (Love You Long Time)(Seasons:めぐりゆく季節の中で)(クロスポイント)(セックスの才能)(Third World Romance)(The Missing)(GOYO 若き将軍)(Hold me close)(I love Lizzy)(Ulan)(Whispers in the Wind)(この時が果てるまで)(Bar Boys: After School

Rocco Nacino(Bar Boys: After School

Enzo Pineda(Bar Boys: After School

視聴可能メディア Youtube(英語字幕)

「Bar Boys」のトレイラー

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